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2019/07/19

令和元年7月PTA会報 学びの深化~「おもしろい」と思えるもの

| by urayasuminami-h
  六月に本校の生徒の皆さんがどのような学習活動を行っているのかを知るために、二週間ほどかけて授業観察を行った。ひとつ意外だったことは、授業中の生徒の皆さんの発言が多いことだ。授業中は静まり返ってしまっているのではないかと想像していたので、皆さんの活発な様子には少々驚いた。発言の内容はさまざまだが、授業者である先生とのやりとりを通じて、知的な深化を探る様子を伺うことができた。本来、「学習する」とは生徒の皆さんの内面を質的に変容させることにある。先生がいくら教え込もうとしても、自らが変わることに興味関心がなければ、学習活動はそもそも成立しない。この意味において、本校の生徒諸君は優れた学習者であるといって過言ではない。改めてすばらしい授業を展開している先生方を誇らしく思いつつ、皆さんの姿勢に敬意を表したい。
 ひとつアドバイスをすれば、何でもよいので、学習する中に「おもしろい」と思うことを見つけてみてほしい。これは、さらに深化の階段をあげるコツである。例を挙げてみよう。家庭科の授業で「給与明細」の話があった。明細書のなかのさまざまな項目は、まだ本格的に「稼ぐ」ことを体感していない人にはなかなか現実感が伴わない。アルバイトをしている人の中には、明細書をみて、稼いだ金額から税金を取られることを初めて知ったという人もいるかもしれない。「稼いだ額」と「手元にもらって自分が使える額」は違うのである。また、授業ではボーナスということにも触れていた。ボーナスという制度も甚だ日本的な風習である。そもそもを調べると、江戸時代、住み込みで働く奉公人が夏のお盆のころと冬の暮に実家に帰るとき、主から小遣いとして現金や着物を渡されていたことに始まるという。当然、外国にはなかなかこれと同じものはない。こうしたひとつひとつの新しい「知」に出会うとき、ひとは「へぇー」とか「そうなんだ」とかという感想を抱く。これが「おもしろい」なのである。さらにこの「おもしろい」を積み重ねていくと「学問」となっていくのだ。
 本校での「学び」をさらに深化させ、学んだことを糧に自らをどう生かすべきかを思い悩み、世のため、人のためにと生きていってほしい。
 七月からは空調の効いた教室での新たな授業が始まっている。皆さんの健闘を心から期待する。
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