式辞
常盤なる松の緑も春くれば今ひとしほの色まさりけり 源宗于朝臣 『古今和歌集』春上
校内の松の緑も色鮮やかになり、春の訪れを感じるこの佳き日に、御来賓並びに保護者の皆様のご臨席のもと、東葛飾高等学校 第98回卒業式を挙行できますことに、心より感謝を申し上げます。
ただ今呼名された、314名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。本日をもって高等学校全日制の課程を修了いたします。
東葛での3年間、皆さんは、三大祭、生徒会活動、部活動等を通して、自分とは異なる様々な価値観を認め合い尊重しながら他者と協働して事を成し遂げてきました。2年時には北海道へ修学旅行に一緒に行き、良い思い出を作ることができました。授業等を通して、自ら問いを立て最適解を導き出す探究力を身に付け、さらに、リベラルアーツ、自由研究等を通じて、幅広く深い教養を身に付けてくれました。昨年11月には皆さんと共に東葛の百周年を祝い、記念式典を挙行できたことは、何より感慨深いことでした。
皆さんの門出に当たり、私から餞の言葉を贈りたいと思います。
“Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow.
The important thing is not to stop questioning.” Albert Einstein
「過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望を持つ。
大切なことは、何も疑問を持たない状態に陥らないことである。」
物理学者、アルベルト・アインシュタインの言葉です。過去から学ぶことを忘れずに、現在(いま)を精一杯生き、未来に希望を持つこと。これから社会へ出ていく皆さんには、「自主自律」を胸に、思考停止に陥らず、自分の頭で考えて、判断して、行動できる人になってくれることを切に願います。戦争や貧困による分断のない社会、皆がwell-beingを実感でき、誰ひとり取り残されることのない社会、その実現に向けて、Agencyを発揮して、よりよい未来と幸福な人生の創り手となってください。そして、社会に貢献する、世界のどこかを支える人になってください。「未来を切り拓く心豊かな次代のリーダー」になってくれることを願っています。
保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様の晴れの姿をご覧になり、感無量のことと拝察いたします。卒業する皆さんが本校で学んだ日々は、人生の基盤となる幹となり、歳月をかけてそれぞれに花開き、実を結ぶものと信じております。これまで、本校の教育活動にお寄せくださいました温かいご理解とご協力に、心より深く御礼申し上げます。
卒業生の皆さん、創立百周年の記念講演をしてくださった同志社大学の植木朝子先生は、「東葛で過ごした3年間は、私にとってかけがえのない宝物です」と仰いました。皆さんにとっても、東葛で過ごした3年間は、かけがえのない宝物になることと思います。そして、此処東葛で出会った友は、生涯の友として付き合い、支え合うことになると思います。
東葛高校は、皆さんの想いとエネルギーを後輩たちが受け継ぎ、次の百年に向けて一歩ずつ創造の歩みを進めます。皆さん、それぞれの空の下からこの東葛高校を応援してください。
皆さんの前途に 幸多からんことをお祈りし、式辞といたします。
令和8年3月5日
千葉県立東葛飾高等学校長
稲川 一男