校長室から

2021年10月の記事一覧

後期のスタート(校長室から)

後期のスタート
 戦いとも表される新型コロナウイルスですが、終戦が見えてきたのか、休戦なのかわからない状況です。それでも、一時期より少し安堵した気持ちで、後期の始まりを迎えることができました。ここまで、本校の感染防止に協力をしていただきありがとうございます。
前期は、学校行事も、昨年度より、できたこと、できなかったこと、延期したものもありました。それでも、時間やルールという制限の中、文化祭や部活動などで最大限のパフォーマンスを発揮し、一人一人が陰日なたなく運営に参画している生徒の姿から、本校生の逞しさや頼もしさを感じることができました。
 「感染症対策を徹底しながら、教育活動を継続する。」ことの難しさを、ブレーキとアクセルを同時に踏んでいると例えていましたが、ある雑誌で、SDGsについて、「そもそもSustainable(持続)と、Development(発展)とは、エントロピー的には対立的で、矛盾する概念ではないだろうか。」との記述を見つけ、我が意を得たりと読み進めると、「これより優れた目標概念は現実的にないのであろう」「Sustainするには、Developmentの速度を抑制すること、もう一つはDevelopmentの方向をSustainableに向けていくほかない」とあり、自転車の前輪と後輪の関係かと妙に会得しました(あっちで迷い、こっちでぶつかり、まるで幼子のようですが…)。
 中世ヨーロッパのペストの流行は、流行を抑えられなかった教会の権威を失墜し、近代が始まるきっかけとなったと言われます。東日本大震災後の地域復興を見れば、被災前の復元ではなく、再編とも言える変化がみられた地域もありました。人類を生態系の一部ととらえれば、撲滅ではなくて、変異と適応が理想的なアプローチと言えそうです。
さて、来年度から高校で新しい学習指導要領が始まるにあたり、スクールポリシー(教育活動の指針となる3つの方針、①育成を目指す資質・能力、②教育課程の編成・実施、③入学者の受け入れ方針)を策定することとなりました。これは、社会の変化、生徒の多様化を受けて、高校の特色化、魅力化を一層明確にすることが大切であるとされたことから、全県立高校(全国の学校)で行うものです。
本校は、間もなく百周年を迎えますが、自主自律を校是として、グローバル社会をリードして活躍できる有為な人材の育成を教育方針に掲げる中で、8年前に医歯薬コース、6年前には中高一貫教育がスタートしました。スクールポリシーの策定により、中学校から6年間の生徒の成長物語を示し、生徒をはじめ学校関係者が誇りを持ち、本校を目指す中学生にとってわかりやすく、魅力的な教育活動を展開していきたいと思います。
策定に当たり、生徒、保護者、地域の皆様など学校のステークホルダーから意見を頂戴するためアンケートを実施しました。今後も、策定過程をHP等で紹介し、意見を伺ってまいりたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
《参考》
○現行の学習指導要領の学力の3本柱
 (1)基礎的な「知識・技能」
 (2)知識・技能を活用し、「自ら考え、判断し、表現する力」
 (3)学習に主体的に取り組む意欲
○新学習指導要領で示された学力の3本柱
 (1)実際の社会の中で生きて働く「知識・技能」の習得
 (2)未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力」の育成
 (3)学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力」「人間性等」の涵養