日誌

2022年12月の記事一覧

2学期終業式 講話

「2学期を振り返って:『金継ぎ』」

 2学期を振り返ってみると、授業、行事、修学旅行、部活動等、コロナ対策しながら、ほぼ計画通りに行うことができました。皆さんや御家庭の協力と先生方の努力に感謝しています。昨日、成績会議、職員会議ありました。勉強に部活動に両立できた人が大勢いました。すばらしい。一方、単位習得に向けて課題が残っている人もいました。今後の頑張りに期待します。
 3年生の進路決定について報告がありました。既にたくさんの人が合格(学校推薦型選抜、総合型選抜・AO入試,就職〔民間・公務員〕)を勝ち得ています。おめでとう。一方、合格まで達しなかった人、これから一般入試の本番を迎える人、緊張感や落ち着かなさを感じるところがあると思います。本番の日まで実力を着実に伸ばすようにぜひ頑張ってほしいと思います。

 ところで、「金継ぎ(きんつぎ)」という言葉を知っていますか?
 「金継ぎ」とは、陶磁器の割れや欠け、ひびなどの破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復の技法です。縄文時代の土器にも見られる、モノを大切に使う庶民の知恵と言えます。
 今どきの言葉いうと、「モッタイナイ」、「サステイナブル」、「エシカル」にも繋がります。
 割れや欠けを隠すのではなく、それを受け入れて、逆に活かして直し、新しい価値・味を生みだす。その姿を「景色」と呼んで味わう。室町時代以降、金継ぎを施されたことが芸術的価値を高めると捉えられるようになった芸術品もあるそうです。
 さて、生きていれば、頑張って取り組んでも満足のいく結果がでないことがあります。先日終わったサッカーのワールドカップ日本代表は優勝経験国のドイツとスペインを破りましたが、目標のベスト8には届きませんでした。しかし、それまでの努力は無駄ではありません。次に繋がる成果と称えられ、敗戦が『金継ぎ』されて、新しい景色が開けていくことが期待されています。
 皆さんにとっても、同様です。たとえこの先、取り組んでいたことがうまくいかなくなった場合でも、
 ○上手くいかなかったことを悔やむより、それを踏まえて改善を図る。
○上手くいかないかもしれないと不安になりすぎるよりも、普通の生活をきちんと送る中で、落ち着いて自分ができる最善を尽くして準備する。
 そして、チャレンジする。その繰り返しが皆さんの「景色」となるのです。
 割れや欠けは成長のチャンスです。皆さんの器に光る金継ぎがどのような景色を描くのか、それこそが肝心です。
 「金継ぎ(きんつぎ)」自体にも興味をもって調べてくれたらうれしく思います。
 
 最後に、冬休みには家族や親戚、友人などと豊かな時間を過ごしてください。3学期の始業式の日に、元気で登校してくれることを楽しみにしています。