10月7日(月)に、3年次の生徒対象に恒例の国際理解講座・人権教育講座が開催されました。今年度の講師は、元青年海外協力隊員の石川亮氏と久保善啓氏。

石川氏です。青年海外協力隊では村落開発普及員としてケニア共和国に派遣され、貧困農産地域で地域開発や収入向上プロジェクトに携わりました。現在は外務省に勤務しています。

ケニアはアフリカの東岸の国。多くの民族から構成されていて、それぞれの言語のほかに、スワヒリ語が公用語、英語が国語だそうです。みんな3つの言語を使うことができるそうです。

このスライドは、村落開発の様子。水源を整備したり、池を作ってティラピアという淡水魚を養殖したりしたそうです。

人権は、人それぞれが幸せを追求することができる権利。人によって何が幸せかは違う。お互いにそれを尊重しなければならい。絶対してはいけない人権侵害は人種(外国人)差別だという話が印象的でした。石川氏自身も海外で様々な差別を経験したそうです。しかし個人と個人との関係の中で分かり合うことが大切だと力説されていました。

次に、久保氏のお話。久保氏は青年海外協力隊員としてキルギスに派遣され、公立中等教育学校で日本文化と日本語の授業を受け持ち、現地教員への助言も行ってきたそうです。現在は、千葉県立学校の教員をなさっています。

キルギス人は日本人に顔かたちが似ているそうです。久保氏自身、現地でキルギス人と間違えられて現地の言葉で話しかけられて困ってしまったことがあるそうです。

「これを知っていますか?」との質問に大半の生徒が「SDGs」と答えることができました。世界の諸問題を考えるとき、SDGsの観点から検討したり研究したりしていくことの重要性をお話ししていただきました。「17の目標の下にいくつのターゲットがあるでしょう?」の質問に「169あります。」と答えてくれた生徒がいました。(すごい!)

人権を考えるときに大切なことは、いきなり答えを出そうとしないこと。好き嫌いで物事を判断しないこと。様々な人たちと意見を交換することで、理解しあうことだという話が印象に残りました。
さらにイチローの例も出しながら、外国に行けば、自分はマイノリティーになる。マイノリティーになることで人に優しくなれる、とお話しくださいました。マイノリティーを理解しようとする姿勢が人権を考える第一歩になるのだと感じました。

生徒代表お礼の言葉の様子です。質問もたくさん出て講演が終わった後も講師の人を追いかけて質問する生徒もいたほどでした。自分の進路を真剣に考える時期の生徒にとって、いろいろ考えさせられる内容だったようです。
講師の先生からもありましたが、現在大学や企業はSDGsに関連したカリキュラムや企業戦略を展開しているので、大学等の進路先の志望動機を、自分のこれからしたいことや興味のあることをSDGsにからめてまとめるとうまくいきます。