1限目、教育実習生の授業を見学に行きました。2GHの「世界史探究」です。順番は逆になりますが、2回目の内容の授業です。
今日の授業の目標は、「地理的特徴や宗教的特徴に注目し、イスラーム誕生の背景を探究する」です。授業を貫く問いは、「イスラームはどのような背景で誕生し、なぜ受け入れられたのだろうか?」です。この2つとも本時のプリントに掲載されています。毎時の目標を示す、授業や単元を貫く問いを立てることは、新しい学習指導要領に示されていることになります。新しい学習指導要領の趣旨に沿った授業になっていることを実感しました。
授業は、イスラームは砂漠の宗教?それとも商人の宗教?という問いから始まります。和辻哲郎の「風土」、「コーラン」から考えていきます。様々な文献からイスラームの本質について考えていきます。イスラームは、「砂漠の宗教」と考える生徒、「商人の宗教」と考える生徒、さらには、両方の要素があると考える生徒に分かれました。先生が意見の共有を求めると、驚くほど議論が盛り上がりました。問いがわかりやすかった、資料が非常に考えやすいものだった等の要素があると感じました。加えて6人の少人数の授業であることも要因にあるのではないか、と思いました。総合学科の魅力を改めて感じました。
その後、ムハンマドによるイスラームの誕生についての説明があり、次のワークに入りました。イスラームとキリスト教の共通点、イスラームとユダヤ教の共通点を海外や資料から探していきます。このワークも生徒は前のめりで取り組んでいるように感じました。机間巡視しながら、話しあいをしている生徒の話を聞きながら、その話に新たな問いを加えていきながら授業を展開していっている様子が印象的でした。
前回の見学でも思いましたが、知識を得ること以上に、資料を読み取り、考え、自分なりに表現することを重視する授業だと感じました。面白かったです。
昨日、図書委員会主催の図書館の古い雑誌を必要な生徒にわける企画が行われました。自分は会議で身に行けなかったので、その時の様子と写真を送ってもらいました。
16:05から開始だったのですが、開始前に早く来て、お目当てのものがあるか探したり、どれをもらっていこうか中を見ながら待っている人がいました。16時ごろには、30名弱の生徒が来てくれました。イベントチームが告知をしてくれたおかげで、昨年よりも多くの生徒に来てもらえました。「この企画のために今日学校に来ました!」という生徒もいました。
イベントチームのリーダー(2Cの生徒です)から注意事項を伝えてもらいスタートし、あっという間に雑誌がもらわれていきました。
写真を見ると、本当に大勢の生徒が集まっているのがわかります。図書委員会の様々な活動、今後も楽しみです。
昨日6日(水)7限目、2年次の「総合的な探究の時間」では、沖縄修学旅行の事前学習が行われました。テーマは、「想いをつなぐ~止めないで 今を動かす気持ち~」です。
最初に、修学旅行の事前学習担当の先生から、修学旅行の意義、沖縄で学ぶ意味についての話がありました。前半は、修学旅行の歴史と意義についてクイズ形式で行われ、生徒は周囲と話をしながら盛り上がりました。そして、後半は、沖縄で学ぶ意味について先生がお話しされました。一番、印象に残っているのは、平和、文化、自然などリアルに沖縄について学びことになるけれど、学んだあとに何があるのか、という話です。学んだことのあとには、「伝える」 ことがあり、他者に感じたこと、学んだことを伝えていくことが重要だとお話しされていました。「島人ぬ宝」、「海の声」などの歌詞の話もでましたが、それらの歌詞が沖縄について訴えていることが何か、改めて考えさせられました。
そのあと、沖縄の戦争の歴史のビデオを視聴しました。沖縄の若者が戦争の経験者から様々な話を聞いていく形式で平和について考える内容でした。話を聞いた若者が聞いたことを伝えていかなければならない、と話していたことが印象的でした。
最後は、「日本探究」の授業で行われた「沖縄」をテーマとした課題学習「壁新聞」の代表生徒の発表が行われました。合唱曲「島唄」から読み解く沖縄の歴史です。発表では、合唱祭でも歌われることがある「島唄」のイメージを問いかけることから入り、さわやかなイメージとは異なる歌詞の意味を読み解いていきました。「でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た でいごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た」、「ウージの森であなたと出会い ウージの下で千代にさよなら」の歌詞の指す意味、嵐は米軍の攻撃を指し、ウージ(さとうきび畑)の下はガマを表すなどの解説に生徒は真剣に聞き入っていました。最後は、自分の好きな分野から沖縄を探究してみることを勧めておわりましたが、素晴らしい発表でした。発表後、大きな拍手が起こりました。
担当の先生から2年次「日本史探究」の授業で取り組んだ「壁新聞」が体育館側の2回通路に展示されていることが紹介され、是非見てほしいとの話があり、事前学習が終わりました。
下は、「日本探究」の事前学習で行われた壁新聞の様子です。詳細は、改めて掲載したいと思います。
1時間見ていて、とても良い事前学習になったと思います。担当の先生の「これで事前学習が終わります」という言葉の後に自然と拍手が起こっていたのがそれを表していると思いました。
11月7日(木)です。晴天です。
本日、登下校指導の3日目です。私も、南流山駅方面へ歩いてみました。行きは、学校を出て、大通り方面から駅に向かう道で駅へ向かいました。橋を渡った後は斜めに駅に向かう道を選択しました。ほとんど生徒とすれ違うことはありませんでした。線路沿いは、不審者がでることがあり、こちらの道を選択するケースもあると聞いていましたが、やはり近い道を通るようです。
登下校指導の地点では、当番の教員2名いましたが、確認すると、線路沿いに向かう生徒が多かったとのことです。始業10分前の生徒は、駅付近から走っていました。ぎりぎり間に合う計算なのかもしれません。
帰りは、線路沿いのコースを取りました。大通りを通るコースより近いですが、川沿いも含めて人通りがなくなる可能 性もあり、普段から生徒指導部より不審者がでることの注意喚起をしていますが、私も注意が必要と感じました。
探究活動に関して、嬉しい報告がありました。11月3日(日)に開催された千葉商科大学主催の第10回全国高校生環境スピーチコンテストに本校2年次のチームオーシャンズ(生物部)の重富一歌さんがファイナリスト7名に残り、環境奨励賞を受賞しました。全国各地の高校から40件以上の応募があったそうです。スピーチの内容は、チームオーシャンズで取り組んでいるマイクロプラスチックの廃材からアクセサリーをつくり、海洋プラスチック問題の解決を訴える活動についてです。元首相の小泉純一郎さんも参加されたそうです。
昼休み、重富さんに校長室にきてもらい、話をきかせてもらいました。全国の高校生で、同じように環境問題に取り組む仲間と知り合えたことが本当に良かったと話をしてくれました。素晴らしい活動をしている高校生が多くいて、特に最優秀賞に輝いた北海道の高校生の桜の咲いた後の廃棄されるゴミをチップにする活動をアウトドアの企業やメグミルクなど企業と連携している活動に刺激を受けたと話してくれました。大人を巻き込んで活動している姿をみて、高校生だけの活動にとどまらない広がりに感銘したと語ってくれました。自分達チームオーシャンズの活動は環境問題に興味を持ってくれている人には届いているけれど、本当は興味関心が少ない人に伝えたいと考えており、そのためには企業など、大人を巻き込むことが必要であり、このあと地元企業とのコラボレーションが待っていて、楽しみとも話してくれました。
また、ファイナリストの発表の仕方もとても参考になったと話してくれました。相手に自分の思いを伝えるためには、話し方や演技的な要素等見せ方、伝え方を磨いていく必要性を感じたそうです。
将来は農学系に進みたいとのことで、環境問題に取り組むことは将来にもつつながることだと思いました。そして、今後、小金の探究活動がより多くの生徒で行われるようになることを期待しているとも話してくれました。
チームオーシャンズの仲間と共に、今後の更なる活躍を期待しています。
3限目、1Bの「数学Ⅰ」の授業を見学しました。最初からグループになっての授業です。テーマは、2次方程式の応用です。ちょうど別の先生で見学した内容と同じところでした。
最初、宿題で出した問題の解説から入りました。生徒に投げかけながら、理路整然とわかりやすく説明していきます。そして、板書がきれいで、わかりやすいです。先生の解説で疑問の部分をグループで教え合っていたのが印象的です。グループにして授業をすることが生きていると感じました。
次に、グループで問題を解いていきます。生徒は話し合いながら問題を解いていきます。宿題で出した問題の解説が問題を解くヒントになっていました。先生は、班に当てて答えを導いたり、机間巡視で話し合いの中で出た言葉を活かしたりしながら、解説していきます。生徒も授業にしっかりついていっていると感じました。前に解いた問題をヒントにしながら次の問題へ進んでいくスタイルがグループでの学習とマッチしていると思いました。
授業を見学して感じたのは、先生の熱量です。私は、先生の授業への熱量は生徒に伝わるものだと思っています。1年間、2年間、3年間と授業を通して伝える熱量は、必ず生徒に伝わり、生徒の力になると思います。1年後、2年後、3年後が楽しみになる授業でした。
2限、3Aの「政治・経済」の授業を見学しました。
最初に、投票が始まったアメリカ大統領選挙について触れたのち、授業の本題に入りました。テーマは、「国際収支表からわかる経済のすがた」です。自分も公民科を教えていて、正直教えにくいところでした。先生は、「日本の経済の姿を貿易収支表から読み取る」という目標を掲げ、授業を進めます。ICTを活用し資料を提示したり、プリントでは、黒字を黒丸、赤字を赤丸で表現したりするなど、視覚に訴え、わかりやすく説明していきました。国際収支における赤字、黒字の解説等において、赤字はよくない、黒字は良い、という単純ではないという説明を生徒同士考えさせながら理解させていきます。授業では、生徒の中にある常識を覆す、壊していくことが大事なことがありますが、それを感じた瞬間でした。
また、データを確認することで、授業の説明の根拠を示すことを重視しているのが印象的でした。
その後も共通テストでよく取り上げられる国際収支表の見方を解説していきますが、問題を解くためでなく、最初に目標に掲げた「日本の経済の姿を貿易収支表から読み取る」というコンセプトにそって授業が進められました。入試のためでなく、入試にも役立つ授業、言葉では簡単ですが、実際には難しいと思いますが、そう言える授業になっていました。生徒の取り組みも集中していて、良く取り組んでいました。
授業とは別ですが、欠席者が多いのは気になりました。他の学年も含め体調不良者が多く心配です。また、例年3年次は入試が近づくにつれて、欠席が増えていく傾向にあります。今年の3年次は、欠席も少なく、授業への取り組みも非常によいように感じています。学校生活、授業を活かして、受験という関門に向かっていってほしいと思います。
11月6日(水)です。本日平常授業です。先週末、部活動だけでなく、探究活動も活発に行われています。今日は、担当の先生から送ってもらった活動の様子と写真を掲載します。生徒が校外で様々な活動をつうじて、社会とつながっていく姿をみることができ、嬉しく思います。今後の更なる活動の発展が楽しみです。
【レモネード活動売上寄付「チームLemon-Lemon」・・東大ドナルドマクドナルドハウス】
11月4日(祝)、「チームLemon-Lemon」は、先週のレモネード活動の売り上げを東大ドナルドマクドナルドハウスに寄付に伺いました。同施設の見学もさせていただき、物品寄付のお話をうかがいました。今後も活動は継続していきます。
終了後はみんなでランチ、もちろんマクドナルドにいきました。
※校長室から 第358号(R6.10.27) 探究チーム「Tteam Lemonn-Lemon」活動開始!(小児がんの子ども・家族の支援活動)に関連記事掲載 !
【JICA・地球広場訪問「チームLemon-Lemon、チームオーシャンズ」】
同日、チームLemonn-LemonとオーシャンズのメンバーがJICAの地球ひろばを訪問しました。生徒たちが取り組む問題がやはり地球規模の問題でもあると感じました。しかし、それらもわかりやすく楽しく学べていい勉強になりました。
民族衣装の試着は楽しかったです。
5限目、地歴公民科の実習生の2Dの「世界史探究」を見学に来ました。実習生3コマ目の授業です。2コマ目の授業はまだ見ることができていないので、飛ばした形になりました。まだ終わっていないクラスがあるので、のちほど見せてもらう予定です。
今日のテーマは、イスラームの拡大です。授業は、最初にイスラームが拡大したのは宗教的・精神的な熱狂か、実利・利益の追求か、という質問から始まりました。授業が進みながら、この質問に何度も戻りました。
授業の目標は、イスラーム政権が拡大した背景を考察し、当地の課題を分析する、中心の問いは、イスラーム政権はなぜ拡大できたのか?また、支配が拡大したことによって生じる課題は何か?です。最初の質問が、今回の授業の目標、中心の問いの答えに近づくためのものであり、宗教的・精神的熱狂か、実利・利益か、どちらかイスラームの拡大の本質かをイメージして、どちらだろうか、と生徒は予想しながら、授業の目標、中心の問いを考えるしくみになっていました。思考が狭まる恐れがあるなど課題もあると思いますが、問いに対する答えのどちらが本質なのか、を想定しながら進める手法も思考を深めることにつながる可能性もあると感じました。
授業の中で、ICTを活用し、イスラームのアラビア語による祈りやシーア派のお祭りの様子を動画で示し、イスラームの実態を示し、興味関心を高める工夫がされていました。特にアラビア語による祈りについては、授業テーマと関係していて効果的だと感じました。
授業は、知識中心ではなく、考えることを中心に据えていることがよくわかりました。また、生徒の振り返りシートを見てみると、シートの記入が回を重ねるごとに増えているのがわかりました。それだけでも効果的だと感じます。大学院での研究は、評価について学んでいるということを聞いているので、自分も授業を見ながら自己評価、評価シートについて学んでいければと思っています。
4限、1Gの「化学基礎」の授業を見学しました。まず最初に席を扇型にします。そして、周囲と挨拶します。そこから学び合いの授業であることがわかります。化学反応式の量的関係は?、化学反応式を言葉で説明しよう、等次々と先生が質問をし、生徒は周囲と確認しながら進みます。説明するときは、黒板に集中、確認する時間を取り、必ず周囲と学び合いを行う。また、今日の授業のポイントも最初に「係数とモル、個数」であることを提示して授業を行っています。授業のコンセプトがはっきりしていて、生徒もそれを理解しており、先生が周囲と確認してください、と言うと、生徒は自然に周囲と話し合います。さらには、生徒の考えが異なったり、答えが違ったりすると、すかさずそこを確認させます。疑問や間違いをうまく利用して、生徒の理解を高めていると感じました。
まとめとして、授業の中のポイントを聞く問題を2問出し、2人1組で、1問ずつ説明しあうワークを(Learning In Teaching)を行いました。授業の振り返りを行う授業は多く見ていますが、最初にアイスブレイクを入れたり、終了後のグータッチ行ったりする工夫で雰囲気づくりを重視していること、振り返りのあとサマリーとしての内容の説明をすることで、いつも課題と感じていた振り返りの確認もしっかりおこなわれていることなど、学び合いの手法が確立していることを実感しました。
さらには、最後、ロイロノートを利用して生徒同士相談しながら練習問題を解いていきます。先生が全員が理解することが目標と話していましたが、まさに繰り返し生徒同士で確認し合うことで、その目標に到達しようとしていると思いました。