校長日記

校長日記R6 No.8(AI時代こそ、真の学力と人間力を!)

     

写真は今週の授業観察からです。かつて一斉授業が主流だったころとずいぶん風景が違います。一方通行の伝授から対話型の授業へ。教授し、学び合う。PC活用も含めて時代の変化を感じさせます。

さて、昨日私は、昨年度に高大連携協定を結んだ和洋女子大学に勉強しに行ってまいりました。勉強と言っても、内容は大学教授の講演とグループ協議です。テーマは「AI時代の学びにおける課題と方向性」でした。講演題は「生成AIの現状及び教育利用の方向性と課題」、協議テーマは「生徒の探究活動での情報収集等における課題(生成AIの利用を含む)」です。

たくさんの都立、私立、千葉県立の高等学校の校長、教頭先生方が集い、大学教授の皆さんとAI時代の学びにおける課題と方向性について話し合いました。

悩みは高等学校も大学もつながっていました。学びにAIを使わせるべきか否か、これからの時代を生きるうえでAIの利用が避けて通れないならば、使いこなせる力を育てる必要があるのでは?では、どこまでどのように使わせるべきか。個人情報や著作権の問題、バイアスや誤った知識の妄信など、まだまだ考えるべき問題の多いAI。中でも頭を悩ませるのは、学力や人間形成に与える影響です。自ら調べ、自ら考える力の育成をめざす私たち教育現場ではどう向き合えばいいのか。

皆さんと正解のない問いに協働的に学ぶ中で、私が強めた思いは二つ、シンプルなものでした。

AIが普及し、活用が当たり前になる時代こそ、ますます人間としての学力、人間力が問われる。

そして、それらを育てる立場の私たちこそ、ますます学びと学びのファシリテーターのプロとして、一層その力量が問われているという思いです。

文学や古典、評論をじっくりと読み、じっくりと考える。自己や他者、歴史や自然、社会や人間と対話し自分の頭と心で考え、コミュニケーション力を磨く。知識を広げ、思考力、判断力、想像力、創造力の土台をつくる。それぞれの専門性と知的好奇心を高め、深め、常に新しい発想と視野を求めて試行錯誤する。論理的に思考しデータを収集し、整理し、プログラムする。自ら学び考える人、その先を生きる「先生」として、学ぶ喜びと人間力を伝えられる力を磨きたいと思います。