千葉県立柏高等学校進学指導重点校・SSH(4期申請中)

 

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    2018/06/23

    海外派遣研修 事前指導

    | by 校長
     東京大学大学院留学生指導の海外研修事前学習を行いました。今回、硬い内容が多いので、特に関心のある方以外、読み飛ばした方が良いかも知れません。
     海外研修の出発まで1箇月となった6月23日土曜、地の利を生かし、東京大学大学院の留学生を招き、海外研修参加生徒の指導をお願いしました。海外研修では、グループで、手賀沼の環境に関する短期の課題研究と、その成果を現地USA、CUW, Concordia University Wisconsinで英語presentation発表を行いますが、まとめと英語でのパワーポイントの作成指導をお願いしました。
     教頭が冒頭と終わりの司会を担当、英語と生物(私)の教諭が指導補助に入ったほか、校長も頻繁に顔を出してくれました。写真は「校長日誌」により多く掲載されています。写真は御本人達の了承を得て掲載していますが、画素数は1/625に減らしてあります。
     予想をはるかに超えるハイレベルまで生徒を指導してもらい、また、大学院生としての体力と集中力に驚かされました。

     朝、生徒は開講前に集合、日本語でのパワーポイント作成を続けました。4月に班分けと班別テーマ設定(第2期SSHでは教頭が3月までに指導していました。)、5月中に指導開始と昨年よりは早く進めたのですが、仕上げに至った班はなかったようです。とは言え、今期SSHでは、今回からSSH部の英語の先生が事前指導に積極的に加わり、英語関係では平均して最高の進行状況だと思います。現地での指導も含め、探究活動の直接の指導は生物の教員が行っています。今週は面談週間で午後の授業もなく、本当は指導の好機でしたが、生物の教員二人ともSSH担当の係ではなく、他学年の普通科担任のため、時間が全く取れなかったのは残念です。特に3年担任の生物の先生には、常に相当量の支援をいただいています。
     来てくれたのは、修士/博士課程に在籍の8人の院生でアジア各国の方と、アフリカの研究生1名です。博士課程D3の方は7回目の来校でした。来年は、Dr.とお呼びしないといけませんね。当然、相応の科学と英語の力の持ち主ばかりです。今まで、初対面の院生には「生物の教員なので、英語は苦手で…」と言っていたのですが、前回、同じようなことを言ったら、D3の方が「あれは冗談、彼は…」とほかの方に話しているのが聞こえ、何と、この日の打合せで、このD3の方がいることに気づき、何と言おうか逡巡する間に、英語の先生から私の専門が鳥類と紹介され、「鳥は趣味で専門は等脚目スナホリムシ科の甲殻類で…」と訂正したところ、早速、一人の方から「なぜ、甲殻類に興味を持ったのか?」と質問をうけました。その観点とすでに指導モードに入っていたことに驚きました。英語の先生と違い、英会話モードに入るのに時間がかかりますが、何とか答えました。私の「専門」ですが、昨年、USAのバスの中で、"Kestrel"とか"Cardinal"とか騒いでましたので、間違えられたようです。次は「専門用語は知っていても、日常会話は無理」と言おうと思います。
     あのダイオウフソクムシも等脚目(ワラジムシ目)スナホリムシ科です。
     生徒への挨拶で教頭は、私は英語が得意でないものの頑張っていると話してくれたのですが、私の英語ハッタリに引っかかっていた生徒は「?」という感じで滑ってしまい、教頭にはたいへん気の毒なことをしました。英語が母国語の生徒まで引っかけたハッタリはほどほどにしようと思います。
     生徒との顔合わせ(写真)では、院生の簡単な自己紹介の後、班別のテーマを聞き、瞬時に誰がつくかが決まり、一班一人ずつの指導が始まりました。
     遅れていた班も、6月15日以来のはっぱが効いたのか、何とかなってきたようです。化学分野のため私の指導外の班は、「やっぱり」な所がありましたが、院生がすぐ気づき、次回までに大幅修整中のようです。
     探究活動の内容を見て、パワーポイントの英訳、進んでいた班は、構成やプレゼンテーションのやり方も指導してもらいました。中には、ご自分の研究発表のパワーポイントを例に構成を指導してくれた院生もいました。私は適当にまわり(写真が少ない原因)、院生から「ここにグラフが必要ではないか?」「この説明は不要ではないのか?」といった的確で思った通りの確認があった時は、生徒に伝えました。専門によっては、decompositionなのかdisintegrateなのか、迷う場面もありました。
     昨年よりだいぶ進んだ段階からの指導開始のため、院生の熱意と指導力が十分生かせたと思います。冒頭の「予想をはるかに超えるハイレベルまで生徒を指導」してもらいました。とは言うものの、院生の指導前に、日本語でのPlesentationが必要で、その分、院生達に迷惑をかけています。
     さて、2時間以上の指導では、適当に休憩するように伝えてあったのですが、生徒のための休憩を除けば、皆さんぶっ続けで指導してくれました。院生の体力と集中力のすごさをすっかり忘れていました。論文の追い込みには体力が必要です。
    2枚とも2時間以上無休憩の指導のようす
     改めて、科学論文とその発表は、序、方法、結果、考察から構成し、必要な内容、考察の進め方等、科学の中での分野が異なっても、基本は同じであり、今までの自分の指導も間違ってなかったことも確認できました。理科の教員であれば、私と同じように指導できると思います。通常の課題研究を行う上で、今回の事前学習が、たいへん役に立つことが実感できましたので、これからも継続し発展させていきたいと思います。

     生物系の方が、Algae等の用語をラテン語式に発音していたことも興味深く、次の指導や資料作成に活かしたいと思います。(AlgaeはAlgaの複数形です。)
     教頭が組んだプログラムに従い、最後に院生からの次回までの課題と助言をもらい終了しました。留学生派遣のこちら側の窓口になってくれたのも教頭です。

     SSH実施校でも、英語の事前学習は外部の講師の方に依頼するケースが多いのですが、本校では、東京大学の院生による指導やALTによる指導等、独自の方式を組み立て実施しています。外部の方々の協力があってこそですが、高校主体で事前指導を行い海外研修に参加しない生徒への指導にも生かしている点を宣伝しておきたいと思います。
     課題研究にとって有用なほか、参加した教員にとっては非常に良い研修になります。理科の教員ばかりでなく、考えをまとめ記述することの指導のよい練習になります。特に若手の先生に参加をすすめたいと思います。本校の海外研修の事前学習にはこのような波及効果もありますので、重ねて宣伝したいと思います。

     午後の保護者の方も交えた説明会では、日程や注意点の説明をしました。私が書いた生徒向けの準備資料を以前配ったところ、なぜか保護者の方々に大ウケだそうです。午後の説明会については「校長日誌」をご覧ください。

    追加です…
     後日、院生の一人から、できた所まで送るように、と言っておいたが、まだ、来ないので、心配している旨、連絡をもらいました。早速、生徒に確認したところ、データが消えてしまって…ということでした。何はともあれ、親身になって心配してくれて、ありがたい限りです。日本語も相当できる方ですが、生徒には英語で連絡を取らせました。
    08:28