市川昴高校の生徒の皆さんへ

　生徒の皆さん、臨時休業の日々をどのように過ごしていますか。どんなことを感じて、何を考えて、どのような行動をしていますか。
　３月５日から臨時休業になり、新年度の登校日が１日あったとはいえ、夏休みよりも長い期間の休校になっています。少なくとも５月８日（金）まで休校は続き、５月１１日(月)以降の状況も現時点では未定です。

　２年生、３年生の皆さんには、４月６日の放送による始業式で話したことの繰り返しになりますが、１年生も含め生徒の皆さんに伝えます。
　「生徒の皆さん、今は耐えるときです。本来やるべきこと、やりたいことができない状況で、何ができるのか、何を行うのか、どのように行うのか、何をやってはいけないのか、を真剣に考えてください。健康管理を第一に考え、感染拡大防止につながる行動をとりましょう。自分の命、他の人の命を守るためにも感染リスクを減らす行動を徹底してください。」

　部活動で総合体育大会を目指していた皆さんへ。報道等でご存じのとおり、多くの人が目標にしていた千葉県高等学校総合体育大会、全国高等学校総合体育大会（インターハイ）が中止になりました。努力の成果や自分の成長を発表する機会がなくなることで大きな喪失感を抱いた人もいるかも知れません。県大会で１点取る、１勝する、ベスト８に入る、優勝する。それぞれの目標がありました。大変残念ですが、それらの目標を達成する機会はなくなりました。しかし、目標の先には目的があります。何を目的にして部活動に参加したのか。その目的に近づいたのか。その評価は自分たちで行うのです。試合に勝つことは目標ではありますが、部活動の目的ではありません。しっかり評価を行い、自分の言葉で大切なことを後輩に伝えてください。

　現在このような状況になり、学校の存在意義を考えさせられます。知識を得るだけの学習であれば、今の時代学校でなくてもできます。なぜ、多くの人間が学校という場に集まる必要があるのでしょうか。多くの人間が集まれば、必ずしも自分にとって都合のよい場とはならないこともあります。気の合わないクラスメートがいたり、苦手な先生がいるのが普通かもしれないですね。そのような環境の中で、時にはぶつかり合いながらも、協働し、他者を認め、新たな自分を発見し、集団の中で成長をしていくのです。

　生徒の皆さん、「今を頑張る」気持ちを忘れないでください。数十年後も２０２０年は語り継がれるでしょう。その時、「あのときの自分」を語ることができるよう、しっかり自分と向き合ってください。２０２０年のＧＷは、ガマンウィークです。我慢し、同じように我慢している他者を想像し、最前線でウイルスと闘っている人（保護者の方にもいらっしゃるかも）を想像し、感謝して生活してください。
　一日も早く感染が収束することを願い、生徒の皆さんの元気な姿を見るのを楽しみにしています。

　　　　　　　　                          　　　　　               　　            　　　　 千葉県立市川昴高等学校長