校長からのメッセージ

校長室から
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2020/09/09

R2 第2学期始業式 校長訓話

| by Pricipal

令和2年度 第2学期始業式訓話            校長 田中 浩紀

「ノミとコップの話」
 皆さん,おはようございます。7月の長雨がおわり,やれ猛暑だと思ったらもう夏休みがおわり今日から第2学期です。2学期は夏に始まり冬に終わる4カ月に及ぶ長い学期です。4か月後,自分はどうなっていたいのかはっきりしたイメージを持ってすごしましょう。
 さて,新型コロナの方はいまだ終息は見えず,今後の学校行事等もまだまだ予断を許さない状況ですが,今日はコロナの話はやめてちょっと別の話をさせていただきましょう。千城台生の「伸びしろ」の話です。
 私は,本校の生徒が千葉県下約200校の高校の中でトップレベルだと思っていることがひとつあります。それは現在(いま)発揮している力と潜在的な力のギャップ,つまり「伸びしろ」の大きさです。とくに学習面での伸びしろは実は恐ろしいくらいあるのではないかと思っています。これは以前にもお話したことがあると思いますが,高校入試で千葉県の平均点270~280点を取れる人は大学入試共通テストでも平均の60%取れるはずですね。本校の平均点はそのくらいでも不思議ではない。ところが現実にはセンター試験の平均得点率はそれに遠く及ばない。これはどうしてなんでしょうか。
 有名な話なので聞いたことのある人もいると思いますが「ノミとコップ」の話をします。体長2mmのノミは約30cm,体長の実に150倍の高さまでジャンプできます。身長160cmの人間にすると240m,何と東京タワーの展望台くらいまでジャンプできることになります。ところがこのノミにガラスのコップをかぶせてしばらく置いておきます。するとそのノミは,コップを外された後もコップの高さ位しかジャンプできなくなってしまうのだそうです。今度ペットのノミを捕まえたら実験してみてください。私も実際にやったことはないので,試した人がいたらぜひ結果を教えてください。
 よく似た話で,サーカスの象という話もあります。1本の鎖でつながれた象は絶対に逃げようとしません。地上で最も力持ちの象ですから1本の細い鎖くらいなら簡単に引きちぎれるのに,です。これはこの象を生まれたばかりの頃から鎖につないでおくと,大人になっても鎖の届く範囲しか自分は行動できないと思い込んでしまうからなんだそうです。
 ノミも象も,本当は大きな力があるのに自分で限界を作ってしまう,というより限界の先の世界を見ようともしなくなってしまうのでしょう。私は皆さんの中には自分で自分の限界を作ってしまっている人がたくさんいるような気がしてなりません。もっと高みを目指して一歩上へトライしてみてほしいのです。ではそのためにはどうしたらよいのでしょうか。
 ノミの話には続きがあって,このノミを再び大きくジャンプできるようにする方法がある。それは,普通に大きく飛べるノミと一緒にコップの中に入れ,新しいノミが飛べなくなる前にコップを外してやる。そうすると飛べなくなっていたノミも仲間と一緒にまた大ジャンプをするようになるというのです。つまり,大切なのは仲間。あなたの周りにお手本になる先輩やライバルたる友達がきっといるはずです。ただし,「人より頑張るなんてできない。自分の中にあるはかりを基準に,自分の限界をちょっと超えることを繰り返す。その積み重ねでしか自分を超えられない。」これはイチロー選手の言葉です。千葉大学合格?「無理無理!」と思うか「合格するには何を何点のばさなきゃ」と考えるのか。インターハイ出場?「無理無理」と思うか「どうしたら昨日よりうまくなるか」と考えるのか。微分・積分?「無理無理」と思うか「どこまでできてどこが分からなくなったか確認しよう」と思うのか。「小さいことを積み重ねることが,とんでもないところへ行くただ一つの道だ。」これもイチロー選手が引退の時に言った有名な一言です。皆さんにもきっとできるはずです。今回文化祭ができなくなってしまいましたが,生徒会・文化祭実行委員会の皆さんがそれに代わる「まほろばウィーク」という企画を考えてくれています。私は,これを聞いたとき,何か壁にぶつかったときこそ新しいものが生まれる,千城台生にはそうした力があるんだなと改めて思いました。
 私は,このノミとコップの話にはもう一つ別の視点があると思います。それは,ガラスのコップをかぶせたのは誰か,という視点です。「お前には無理だよ」「そんなに高く飛ばなくたっていいじゃん」「現状で何が不満なの?」「僕はそんな無理しないよ。無理したって意味ないよ。」あなたは友達にそんな風に接していませんか。
また親や私たち教員はそんな風に接していないか常に反省する必要があると思っています。つまり,コップをかぶせるのは周りの人間なのです。
 君たちには友達にコップをかぶせるのではなく,ともに高くジャンプしよう!と互いに高め合う人間関係を築いて欲しいと思います。
 もう一度繰り返しますが,「小さいことを積み重ねることが,とんでもないところへ行くただ一つの道。皆さんにもきっとできるはず。」どうか大きな目標をもってこの長い第2学期を有意義に過ごしてください。
以上で終わります。


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