校長からのメッセージ

校長室から
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2020/01/10

令和元年度 第3学期 始業式訓話

| by Pricipal

令和2年1月7日 第3学期始業式訓話
「新年にあたり目標を2つ いかが?」     校長 田中 浩紀

 皆さん,おはようございます。改めて明けましておめでとうございます。年末年始はゆっくりできましたか。これから受験の3年生は当然それどころではなかったと思いますが,久しぶりに親戚やお友達に会って楽しかったという人もいることでしょう。リフレッシュして新年を迎えられたことと思います。
 さて,新年1月は,新しい目標を設定するのによいタイミングです。皆さんそれぞれすでに心に決めたことがある人もいるでしょうが,まだ何も考えていないよという人のために,私から2つ提案をします。
 一つ目は,「新しいことに挑戦する」ということです。
 世の中の動きは本当に速い。高校生活は3年間ですが,3年前の常識が常識で無くなるほどです。私の尊敬する人に,矢野建夫(やのたてお)さんという65歳の空撮カメラマンがいます。この方は今から20年くらい前に,モーターパラグライダーという背中にプロペラを背負ったパラグライダーに乗って超低空のハイビジョン動画を撮影して世間をあっと言わせた人です。ところが,10年くらい前にドローンが出てきて,空撮はドローンを使って簡単にできるようになってしまいました。私は,矢野さんの仕事はもう無くなってしまうのではと心配しましたが,ところがどっこい矢野さんは「鳥の目線の映像」という新しいコンセプトで,日本や世界各地の名所を,ドローンでは撮れないような超低空,ハイスピードで飛び回って映像を撮るという新しい挑戦で,今や各地の観光大使の仕事をするようになっています。普通に考えたら,ドローンの登場で消えてなくなる仕事を,新しい挑戦で見事に生き延びているのです。
 少し話がそれましたが,例えば昨年大騒ぎとなった大学入試改革はどうでしょう。英語外部試験や国語・数学の記述式導入についてとりあえず見送りとなりましたが,今後どうなるかわかりません。こんなとき,例えば英語の民間試験にあえて挑戦し,級を取得しておこう,等というのは難局に幅広く対応するスタンスとしてとても良いと思います。大学入試が変わって不安だからより安全・確実な大学に早く決めようというのではなく,逆に攻めの姿勢で,今まで一度も外部模試を受けたことがなかったけれど,今年は外部模試を受けてやろうとか。これは大学受験の例ですが,将来の仕事探しでも,自分探しでも,部活動でも,何か一つ新しいことに挑戦してみてほしいと思います。
 二つ目は,「今まで以上に他人の気持ちを考えよう」ということです。
 いじめのニュースは後を絶ちません。いじめは,いじめに遭った被害者だけでなく,第三者にも見ていて不愉快だという気持ちにさせます。当事者はふざけているだけのつもりでも,いじられている人や周りで見ている人がどれだけ嫌な思いをするか,中学生や高校生になってまだ分からないのかと憤りさえ感じます。
 この休み中に読んだ本,佐藤雅彦さん(東京藝大教授,NHKのピタゴラスイッチ監修,だんご3兄弟作詞等)の『新しい分かり方』にこんな例が出ていました。①小さな子供二人が仲良く1冊の絵本を読んでいます。一人は人間の男の子,もう一人は鬼の子です。同じページを見ているのに,人間の子はニコニコ,鬼の子はしくしく泣いています。この物語は何でしょう。正解は「ももたろう」です。鬼退治のシーンですね。②NHKのお天気担当アナウンサーが場違いな民放のお笑い番組に出演し,タレントからいじられています。お笑いタレントは,面白おかしく「NHKだから絶対に言っちゃいけないNGワードとかあるんでしょ?」と聞きます。おそらく,真面目な女性アナウンサーから下ネタ言葉等を引き出そうとしたのでしょう。ところが女性アナウンサーは,「明日はいい天気になりますとは絶対に言いません」と答えました。一般にレジャーや外あそびをするのに「晴れ」はいい天気ですが,雨を待ち望んでいる農家にとっては一概にいい天気とは言えないから。③同じ型のテレビが2台並んでおいてあります。1台はONで画面が映っている,もう一台はOFFの状態です。この2台にリモコンを向けて「電源」ボタンを押したらどうなるでしょうか。ONだった方は消えてOFFだった方は電源が入ります。
 少しくどくなりましたが,いずれも,一つの同じ情報が,受け手によっては正反対の受け止め方になるという例です。私たちは毎日何らかのコミュニケーションをして生活しています。会話,電話,メール,テレビ,新聞,ときには目くばせ等。つまり常に情報の発信と受信をしているわけですが,このとき受け手が必ずしも自分と同じ解釈基準で情報を受けているのではないということを忘れてはなりません。
 皆さん,今年も一つ年を取るわけですからこのことをよく理解し,今まで以上に他人の気持ちに気遣いができるような大人になってほしいと思います。
 さあ,3学期は正味2か月ちょっとしかありません。3学期は学年総まとめであると当時に,次なるステップへジャンプするために膝をぐっと曲げで力を蓄える時でもあります。特に3年生は最後の最後まで全力で頑張り切っていただきたいと思います。ここにいる950名全員にとって素晴らしい1年となることを心から祈って,年頭のあいさつとします。


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