校長からのメッセージ

校長室から
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2019/09/02

令和元年度 第2学期始業式訓話

| by Pricipal

令和元年9月2日 第2学期始業式訓話
「守備範囲から一歩外へ」      校長 田中 浩紀

皆さん,おはようございます。
 長い夏休みもとうとう終わってしまいましたね。今年の夏休みは皆さんにとってどんな成果があったでしょうか?別に何もないよと言う人も多いかもしれませんが,もしかしたら本人が気づいていないだけで,2学期,すこし涼しくなってみたら部活が上手くなっていたとか,9月模試を受けてみたら案外手ごたえがあった,等という事があるかもしれません。特に3年生は,今から次々に進路決定のための試験を迎えるわけで,これはもうまさに今までの成果をザーッと放出する時なわけです。
 目に見える成果もいくつもありました。先ほど賞状を伝達しましたが,美術部は全国総文祭で佐賀まで発表に行き,クライミング部は県の1年生大会で個人の部見事優勝です。きらめきソフトテニス大会では2年生ペアがベスト8,吹奏楽部の銅賞もありました。そして,野球部は秋季大会でブロックを抜け4年ぶりの県大会を決めました。本当にすばらしい成果だと思います。


 さて,今日は千葉大学の新しい取組からお話したいと思います。千葉大なんて私には関係ないと思わず聞いてください。今年の1月に千葉大が全国の国立大学で初となる施策を打ち出しました。それは,来年度入学生から,「全員留学を必須とする」というものです。費用は大学負担です。6月にはそのために国立大学では最高額となる授業料の値上げも発表しましたから本気です。千葉大学では4年前に国際教養学部を作ってその学部は全員留学必修としていたのですが,それを学部と大学院の全学生に広げるというのです。これにはいろいろ賛否もあるようですがそれはさておき,ちょっと気になったので調べてみました。日本の高校生の留学希望の状況です。
 日本では,ずいぶん以前から若者の内向き志向が言われ,海外はおろか県外にも出ない,大学も自宅から出たくないという人が多いというのですが,実はこれが最近変わってきている。独立行政法人国立青少年教育振興機構の調査によると,「大学に行ったら留学したい」と回答した高校生は約36%と7年前の調査から4ポイント増えたそうです。留学したい理由や行先等細かい情報はさておき,「今の自分を変えたい」80%,「語学を修得したい」67%等,前向きな姿勢が目立つということです。

 日本の若者が海外で活躍している例として,一つ興味深い例を紹介します。元AKB48のメンバーであった仲川遥香さんという人が,今インドネシアで最も有名な日本人なんだそうです。AKBファンの人は知っているかもしれませんね。AKB48では選抜にも入れなかった仲川さんは,2012年にAKBからインドネシア・ジャカルタのJKT48に拠点を移し,大人気アイドルとなり,今やテレビCMやレギュラー出演などもたくさんあり,日本インドネシア親善大使にまで選ばれているそうです。彼女の著書「ガパパ!〜AKB48でパッとしなかった私が海を渡りインドネシアでもっとも有名な日本人になるまで」の中で,若者に対して「最高に輝ける場所を見つけるための7つのポイント」を挙げています。
 ① 必要とされる場所を探そう
 ② 「日本人という才能」に目覚めよう
 ③ 「オンリーワン」になれる場所をみつけよう
 ④ 「初期メンバー」になろう
 ⑤ 抑えつけていた「本当の自分」を自由にしてあげよう
 ⑥ 相手を決めて「自慢しているイメージ」を持とう
 ⑦ 「主役を演じる」気分で暮らそう

日本人として誇りを持ち,自己実現を図って満足してる実体験から出た言葉だと思います。仲川さんを呼んで,一つずつ解説して欲しいなと思うくらいです。
また,この本の推薦文のなかで,秋元康氏が,「数年前まで,AKB48の選抜に入れなかった仲川遥香が,なぜ,インドネシアの国民的アイドルになれたか? 陽が当たらないと嘆くより,陽が当たる場所へ動け! 彼女の生き方は,多くのひとに勇気を与えるだろう」と述べています。なかなかに心に響く言葉だなと思いました。


 千葉大のように,全員に海外留学の必要性があるかどうかは疑問ですし,皆さん全員にぜひ留学をと勧めているわけではありませんが,私は,この内向き志向からの脱却は非常によいことだと思っています。内向き志向というのは,言い換えると自分の守備範囲の中だけで物事を考え生きていく。これが狭すぎれば「井の中の蛙」という事になります。自分の守備範囲というのは安心感もあるし大きな失敗もしない。しかし,人間が成長するのは失敗があってこそ。失敗しない人間には大きな成長のチャンスはないのです。
 新しい学期が始まります。体育祭や修学旅行等大きな行事も控えています。勉強もう部活動も飛躍する「天高く馬肥ゆる秋」の到来です。みなさん,ぜひ自分の守備範囲から一歩足を踏み出してチャレンジしてみましょう。


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