休校中の課題(第1学年)

〇1学年対象の来週の課題は以下の通りです。(R2.5.22更新)
【5月25日~5月29日の課題】
 教科学習支援ガイド 学習課題 
 国語総合 1.【国語総合】家庭学習ガイド5.25-29.pdf(動画)第8回精選国語総合2020年5月25日.pdf
(動画)第9回精選国語総合2020年5月26日.pdf
    学習課題➀文学史(近代明治期).pdf
    学習課題➁文法の確認.pdf
(動画)第10回精選国語総合2020年5月28日.pdf
 現代社会 2.【現代社会】家庭学習ガイド5.25ー29.pdf
 数学ⅠA 3.【数学ⅠA】家庭学習ガイド5.25-29.pdf 
 化学基礎 4.【化学基礎】家庭学習ガイド5.25-29.pdf 
 生物基礎 5. 【生物基礎】家庭学習ガイド5.18-29.pdf 
 保健 6.【保健】家庭学習ガイド5.25-29 .pdf【保健】学習プリント(Topic Reading③).pdf
 体育7.【体育】学習ガイド5.25-29.pdf【体育】学習プリント5.25-29.pdf
 音楽Ⅰ 8. 【音楽Ⅰ】家庭学習ガイド5.25-29.pdf
 美術Ⅰ 9. 【 美術Ⅰ】家庭学習ガイド5.25-29.pdf 
 書道Ⅰ 10. 【書道Ⅰ】家庭学習ガイド5.18-29.pdf
 コミュ英Ⅰ
 英語表現Ⅰ
 11. 【英語】 家庭学習ガイド5.25-29.pdf
 情報の科学 12. 【情報】 学習ガイド5.18-29.pdf 

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〇1年生 対象の新しい課題は以下の通りです。(R2.5.15 更新)
スマートフォンでは、学習課題が確認しづらい場合があります。
スマートフォンを横向きにすると確認しやすくなります。
【5月18日~5月22日の課題】
 教科学習支援ガイド 学習課題 
 国語総合 1.【国語総合】家庭学習ガイド5.18-22.pdf(動画)第5回精選国語総合2020年5月18日.pdf
(動画)第6回精選国語総合2020年5月19日.pdf
(動画)第7回精選国語総合2020年5月21日.pdf
 現代社会 2.【現代社会】家庭学習ガイド5.18ー22.pdf
 数学ⅠA 3.【数学ⅠA】家庭学習ガイド5.18-5.22.pdf
 化学基礎 4.【化学基礎】家庭学習ガイド5.18-22.pdf 
 生物基礎 5.【生物基礎】家庭学習ガイド5.18-29.pdf 
 保健  6.【保健】家庭学習ガイド5.18-5.22.pdf 【保健】学習プリント➀(5月18日~).pdf
 【保健】学習プリント②TOPIC READING(5月18日~).pdf
 体育7.【体育】家庭学習ガイド5.18-22.pdf 5.11~5.15体育理論課題正答.pdf
【体育】学習プリント5.18-5.22.pdf
【動画】縄跳びChallenge動画.pdf
 音楽Ⅰ 8.【音楽Ⅰ】家庭学習ガイド5.18-22.pdf 
 美術Ⅰ 9.【 美術Ⅰ】家庭学習ガイド5.18-22.pdf 
 書道Ⅰ 10.【書道Ⅰ】家庭学習ガイド5.18-29.pdf
 コミュ英Ⅰ
 英語表現Ⅰ
 11.【英語】家庭学習ガイド5.18-22.pdf
 情報の科学 12.【情報】家庭学習ガイド5.18-22.pdf 
        
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〇1年生 対象の課題は以下の通りです。(R2.5.8 更新)

スマートフォンでは、学習課題が確認しづらい場合があります。
スマートフォンを横向きにすると確認しやすくなります。

音楽・美術・書道については、選択した科目に取り組んでください。
なお、これら芸術の教科書は13日に発送する予定です。
【5月11日~5月15日の課題】
 教科学習支援ガイド 学習課題 
 国語総合 (動画)第1回精選国語総合2020年5月11日.pdf
(動画)第2回精選国語総合2020年5月12日.pdf
(補助プリント)形式段落要約例.pdf
(動画)第3回精選国語総合2020年5月13日.pdf
(動画)第4回精選国語総合2020年5月14日.pdf

 現代社会
 【現代社会】学習ガイド5.11-15.pdf 【現代社会】学習課題5.11-15.pdf
 数学ⅠA 【数学ⅠA】学習ガイド5.11-15.pdf 【数学Ⅰ】解答集①5.11-15.pdf  
 【数学A】解答集①5.11-15.pdf
 化学基礎 【化学基礎】学習ガイド5.11-15.pdf 【化学基礎】学習課題5.11-15.pdf
 生物基礎 【生物基礎】学習ガイド5.11-15.pdf 
 保健 【保健】学習ガイド5.11-15.pdf 【保健】学習課題5.11-15.pdf
 体育 【体育】学習ガイド5.11-15.pdf 【体育】学習課題5.11-15.pdf
 音楽Ⅰ 【音楽Ⅰ】学習ガイド5.11-15 .pdf 【音楽Ⅰ】学習課題5.11-15.pdf
 美術Ⅰ 【美術Ⅰ】学習ガイド5.11-15.pdf 
 書道Ⅰ 【書道Ⅰ】学習ガイド5.11-15.pdf 【書道】学習課題5.11-15.pdf
 コミュ英Ⅰ
 英語表現Ⅰ
 【英語】学習ガイド 5.11-15.pdf 【英語】学習課題5.11-15.pdf
 情報の科学 【情報】学習ガイド5.11-15.pdf 
 
R2年度入学生
12345
2020/11/12

(1年生)ソーシャル・スキル・トレーニングをやってみました

| by chishirodai-h
 本校では、3年くらい前から東京情報大学の先生のご協力をいただいて、SST(SocialSkillTraining)というプログラムを実施しています。これは、互いの気持ちを理解し合って人間関係を円滑に出来るようにするためのトレーニングをするものです。

 今週はまず月曜日に第1回を行いました。この回では有志の人たちがそれぞれ日常の場面での姿を演じ、それぞれの演者の気持ちを皆で予測したのち、今度は班ごとに互いに表情やしぐさを演じ合って互いの気持ちを想像してみました。
 有志演者の人たちが頑張ってくれたおかげで和やかな時間となり、各クラスからは賑やかな笑い声が聞こえていました。終了後のアンケートでも、人の気持ちが思ったより複雑であることがわかった、という声が多く、どうやら所期の目的は達成できたようです。
 本日、第2回を実施します。



 当日の写真です



本日の2回目の様子です。

07:23
2020/10/18

文法に関する質問への答え答え

| by chishirodai-h
 動詞の活用形がわからないという質問をスタディサプリを通じていただきましたので、突然ですがここに載せておきます。
 まことにシンプルにですが、「馬のはなむけ」に絞ってお答えします。まず、この段にはサ変動詞が8個入っていますがそのうち7個までが「す」「し」です。「す」は終止形、「し」は連用形ですね。そしてひとつだけある「する」が連体形です。これはとりあえず覚えてしまいましょう。その他のものについてですが・・・「知る」と「知ら」をそれぞれ1個と数えれば18個あるはずです。この中で、特殊活用(覚えておくべきもの)は、1行目にある「み(む)」だけで、これはマ行上一段活用で、未然形に接続する助動詞「む」の上にありますからこれは未然形です。これだけ別格として他の17個を確認すると・・・
 今後とも覚えておくとよいのは接続助詞「て」がついている場合、その上の活用語は必ず連用形になるということです(ちなみに、サ変以外に6個あります)。また、句点「。」の上にあるのは終止形だというのはおわかりですね?これが3個あります。そうすると、残りが8個。それらを順に判定しておくと、「いふ」は下に名詞(体言)「もの」がついているから連体形(※動詞の下に名詞がついていれば連体形、ですね?)、「乗る」は終止形接続の助動詞「べし」の上にあるから終止形(※助動詞がそれぞれ何形に接続するのかは助動詞活用表の上にある帯のような部分もしくは表一番下の段の「接続」というところを見れば書いてあります)、「知る」は、下に名詞(体言)「人」が省略されているので連体形、「知ら」は下に打消助動詞「ず」の連体形「ぬ」がついているので未然形、「比べ」は、下に完了の助動詞「ぬ」の連体形がついているので連用形、「ののしる」は下に名詞(体言)「うち」がついているので連体形、「更け」は下に完了の「ぬ」がついているので連用形、「あざれ合へ(※複合動詞は下の動詞で考えればいいというのはわかっていますね?)」は、下に完了助動詞「り」がついているので已然形、ということになります。
 以上、説明してみましたがこれで少しはわかるでしょうか?(国語科:江見)

07:30
2020/08/28

「凱風」HP版 夏休み9号

| by chishirodai-h

 おはようございます。「凱風」HP版、夏休み最終号です。8月28日(金)、夏休み残り3日。少し下がると言っていた気温が、一転してお盆頃まで高温のままという予報に変わっています。今日もかなり蒸し暑そうで、どうやらあまり区切りのつかぬまま新学期になりそうな気配ですね。まあ、それでもまだ夏休みは今日を含めれば4日ある、最後にみんな何かいいことがあるといいですね・・・。私は部の大会があるのでここからは休みなしですが、それでもできるだけ新学期の準備をして来週を迎えたいと思います。みんな、健康で9月1日に会いましょう。

 一昨日、旅行社に確認したところでは、修学旅行積み立ての申し込みをしておられないご家庭が80件ほどあるそうです。積み立てをせずに一括、ということであれば別に問題はないのですが(実際問題まだ来年修学旅行が実施できるという保証もありませんしね・・・)、ただ、期日までに申し込みをし損ねたという方がいらっしゃると困りますので、始業式の日に一応調査をさせていただきます。積み立てシステムは期限までに申し込んでいないとどうしようもないのですが、来年度の振り込み時に申し込み損ねた方のために振込期間を長くして対応してくれるという回答を業者からはもらっています。とりあえず状況を把握しておこうと思いますので、該当の方は始業式の日にお申し出ください。

国語の宿題について新たに質問がありましたのでお答えしておきます。
国語の宿題は、答え合わせをする必要はありません。普通に解答してそのまま提出してください。

新学期初めの日程を一応確認しておきます
 9月1日(火)大掃除・始業式・頭髪服装検査
 9月2日(水)①~③課題テスト国・数・英 ④~⑥木曜日課
  9月3日(木)水曜日課
 ※夏季の課題は最初の授業で提出するはずですので、それぞれちゃんと準備しておこう。

      
                            (第1学年主任:江見)

 今日は森鷗外「牛鍋」を紹介しておきます。

「牛鍋」     森鴎外

 

  鍋はぐつぐつ煮える。
  牛肉の紅くれないは男のすばしこい箸で反(かえ)される。白くなった方が上になる。
  斜めに薄く切られた、ざくと云う名のねぎは、白い処が段々に黄いろくなって、褐色の汁の中へ沈む。
  箸のすばしこい男は、三十前後であろう。晴着らしい印半纏(しるしばんてん)を着ている。傍に折鞄(おりかばん)が置いてある。
  酒を飲んでは肉を反す。肉を反しては酒を飲む。
  酒を注いでやる女がある。
  男と同年位であろう。黒繻子(くろじゅす)の半衿(はんえり)の掛かった、縞(しま)の綿入れに、余所行(よそゆき)の前掛をしている。
  女の目は断えず男の顔に注がれている。永遠に渇しているような目である。
  目の渇きは口の渇きを忘れさせる。女は酒を飲まないのである。
  箸のすばしこい男は、二三度反した肉の一切れを口に入れた。
  丈夫な白い歯でうまそうに噬(か)んだ。
  永遠に渇している目は動く顎に注がれている。
  しかしこの顎に注がれているのは、この二つの目ばかりではない。目が今二つある。
  今二つの目の主は七つか八つ位の娘である。無理に上げたようなお煙草盆に、小さい花簪(かんざし)を挿している。
  白い手拭いを畳んで膝の上に置いて、割箸を割って、手に持って待っているのである。
  男が肉を三切れ四切れ食った頃に、娘が箸を持った手を伸べて、一切れの肉を挟もうとした。男に遠慮がないのではない。そんならと云って男を憚(はばか)るとも見えない。
 「待ちねえ。そりゃあまだ煮えていねえ。」
  娘はおとなしく箸を持った手を引っ込めて、待っている。
  永遠に渇している目には、娘の箸の空しく進んで空しく退いたのを見る程の余裕がない。
  しばらくすると、男の箸は一切れの肉を自分の口に運んだ。それはさっき娘の箸の挟もうとした肉であった。
  娘の目はまた男の顔に注がれた。その目の中には怨みも怒りもない。ただ驚きがある。
  永遠に渇している目には、四本の箸の悲しい競争を見る程の余裕がなかった。
  女は最初自分の箸を割って、盃洗(はいせん)の中の猪口(ちょく)を挟んで男に遣った。箸はそのまま膳の縁に寄せ掛けてある。永遠に渇している目には、またこの箸を顧みる程の余裕がない。
  娘は驚きの目をいつまで男の顔に注いでいても、食べろとは云って貰われない。もう好い頃だと思って箸を出すと、その度毎に「そりゃあ煮えていねえ」を繰り返される。
  驚きの目には怨みも怒りもない。しかし卵から出たばかりの雛に穀物を啄(ついば)ませ、胎を離れたばかりの赤ん坊を何にでも吸い附かせる生活の本能は、驚きの目の主にも動く。娘は箸を鍋から引かなくなった。
  男のすばしこい箸が肉の一切れを口に運ぶ隙に、娘の箸は突然手近い肉の一切れを挟んで口に入れた。もうどの肉も好く煮えているのである。
  少し煮え過ぎている位である。
  男は鋭く切れた二皮目で、死んだ友達の一人娘の顔をちょいと見た。叱りはしないのである。
  ただこれからは男のすばしこい箸が一層すばしこくなる。代りの生を鍋に運ぶ。運んでは反す。反しては食う。
  しかし娘も黙って箸を動かす。驚の目は、ある目的に向って動く活動の目になって、それが暫らくも鍋を離れない。
  大きな肉の切れは得られないでも、小さい切れは得られる。好く煮えたのは得られないでも、生煮えなのは得られる。肉は得られないでも、葱は得られる。
  浅草公園に何とかいう、動物をいろいろ見せる処がある。名高い狒々(ひひ)のいた近辺に、母と子との猿を一しょに入れてある檻があって、その前には例の輪切りにした薩摩芋が置いてある。見物がその芋を竿の尖(さき)に突き刺して檻の格子の前に出すと、猿の母と子との間に悲しい争奪が始まる。芋が来れば、母の乳房を銜ふくんでいた子猿が、乳房を放して、珍らしい芋の方を取ろうとする。母猿もその芋を取ろうとする。子猿が母の腋(わき)を潜(くぐ)り、股を潜り、背に乗り、頭に乗って取ろうとしても、芋は大抵母猿の手に落ちる。それでも四つに一つ、五つに一つは子猿の口にも入る。
  母猿は争いはする。しかし芋がたまさか子猿の口に入っても子猿を窘(いじ)めはしない。本能は存外醜悪でない。
  箸のすばしこい本能の人は娘の親ではない。親でないのに、たまさか箸の運動に娘が成功しても叱りはしない。
  人は猿よりも進化している。
  四本の箸は、すばしこくなっている男の手と、すばしこくなろうとしている娘の手とに使役せられているのに、今二本の箸はとうとう動かずにしまった。
  永遠に渇している目は、依然として男の顔に注がれている。世に苦味走ったという質たちの男の顔に注がれている。
  一の本能は他の本能を犠牲にする。
  こんな事は獣にもあろう。しかし獣よりは人に多いようである。
  人は猿より進化している。


05:00
2020/08/24

「凱風」HP版 夏休み8号

| by chishirodai-h
 おはようございます。夏休みも残り1週間となりました。猛暑もようやく少し落ち着いてきたところです。そろそろ気持ちの切り替えを始めましょう。・・・昨日のように突然の雷雨に見舞われると、今度は秋の台風や豪雨も心配になりますね。コロナ禍でついつい忘れがちになりますがここ数年、気象災害はどんどん深刻化してきていますから、今年も十分注意して過ごさなければならないでしょう。暑さも峠を越したとは言え今週もたぶんまだまだ暑いだろうし、なかなか楽はさせてもらえませんね。それでも・・・新学期に向けて準備開始です。

 このところ、夏休みの課題についての質問が増えてきました。みんな、ここへ来て宿題にも手を付けたということでしょうか。質問されたことについて、ひとつ確認しておきます。夏休み明けの課題テスト(9月2日実施)国語の出題範囲は、プリント冊子に載せた教材が対象となります。具体的には「沖縄の手記から」「児のそら寝」そして百人一首①~㉕ですね。「児のそら寝」は一応本文の現代語訳くらいは読んでおきましょう。百人一首は、最低限上の句と下の句が一致するよう覚えておけばとりあえず大丈夫ですが、やる気のある人は便覧に載っている歌の意味や、プリントで問題になった語句などにも目を通しておいてください。
・・・考えてみれば9月2日って1週間後だものね。

 先週は、学校では体育祭の応援団有志がせっせと応援練習をしていました。次々と行事がなくなっていく中で、何か一つでも実現させたいという生徒諸君の強い思いを感じました。10月に延期したことでなんとかこの行事くらいは実現して貰いたいと願っていますが・・・今の感染状況だとなあ・・・それでも、諦めなければチャンスもあると信じましょう。。
 学校に限らず、日本人の誰もがこのウイルス騒動は夏には落ちつくと思っていましたけれど、その予想は完全に裏切られました。思えば、我々は心のどこかで、どんな問題もいずれはなんとか片付くと信じて生きているわけですが、あるいはこのコロナ禍はそういういわれのない安心感のようなものに対する厳しい教訓なのかも知れません。人の力ではどうにもならないものに対して我々はどう立ち向かうのか、少なくともここで希望を失ったりあきらめたりしてしまえばそれでおしまいなのは確かです。困難に直面した人を破滅させるのは、往々にして、困難そのものではなく困難によってくじけてしまった心です(あきらめたらそこで試合終了だと安西先生も言っていましたしね)。たぶん2学期以降もいろいろ試練に見舞われることとは思いますがくじけず、やれることを模索してなんとか乗り越えていきたいですね。

 今週はまた実力養成講座を再開します。新たに参加を希望する人はまた声をかけてください。例によって毎回完結の内容になっていますので当日いきなり参加することもまあ可能ですので。予定は学年室前に貼ってあります。その時々で、やれることをやっていく。今はそれだけです。
                                                                      (第1学年主任:江見)

今回は日本の探偵小説の父、江戸川乱歩の「指環(ゆびわ)」という短編を紹介しておきます。・・・これはまあ、読書感想文向きではありませんね。一昔前はこういうものが読まれていたんだなと思って読んでみてくださいな。

「指環」   江戸川乱歩

A 失礼ですが、いつかも汽車で御一緒になった様ですね。
B これはおみそれ申しました。そういえば、私も思い出しましたよ。やっぱりこの線でしたね。
A あの時は飛んだ御災難でした。
B いや、お言葉で痛み入ります。私もあの時はどうしようかと思いましたよ。
A あなたが、私の隣の席へいらしったのは、あれはK駅を過ぎて間もなくでしたね。あなたは、一袋の蜜柑を、スーツケースと一緒に下げて来られましたね。そしてその蜜柑を私にも勧めて下さいましたっけね。……実を申しますとね。私は、あなたを変に慣れ慣れしい方だと思わないではいられませんでしたよ。
B そうでしょう、私はあの日はほんとうにどうかしていましたよ。
A そうこうしている内に、隣の一等車の方から、興奮した人達がドヤドヤとはいって来ましたね。そして、その内の一人の貴婦人が一緒にやって来た車掌にあなたの方を指して何かささやきましたね。
B あなたはよく覚えていらっしゃる、車掌に「ちょっと君、失敬ですが」と云われた時には変な気がしましたよ。よく聞いて見ると、私はその貴婦人のダイヤの指環をすったてんですから、驚きましたね。
A でも、あなたの態度は中々お立派でしたよ。「馬鹿な事をいってはいけない。そりゃ人違いだろう。何なら私の身体を検(しら)べて見るがいい」なんて、一寸あれだけの落着いた台詞は云えないもんですよ。
B おだてるもんじゃありません。
A 車掌なんてものは、ああした事に慣れていると見えて、中々抜目なく検査しましたっけね。貴婦人の旦那という男も、うるさくあなたの身体をおもちゃにしたじゃありませんか。でも、あんなに厳重に検べても、とうとう品物は出ませんでしたね、みんなのあやまり様たらありませんでした。ほんとに痛快でした。
B 疑いがはれても、乗客が皆、妙な目附で私の方を見るのには閉口しました。
A しかし、不思議ですね。とうとうあの指環は出て来なかったというじゃありませんか。どうも、不思議ですね。
B …………
A …………
B ハハハハハハ。オイ、いい加減にしらばくれっこは止そうじゃねえか。この通り誰も聞いているものはいやしねえ。いつまでも、さようしからばでもあるまいじゃないか。
A フン、ではやっぱりそうだったのかね。
B お前も中々隅へは置けないよ。あの時、俺がソッと窓から投げ出した蜜柑のことを一言も云わないで、見当をつけて置いて、後から拾いに出掛けるなんざあ、どうして、玄人(くろうと)だよ。
A 成程、俺は随分すばしっこく立廻った積りだ。それが、ちゃんとおめえに先手を打たれているんだからかなわねえ。俺が拾ったのはただの腐れ蜜柑が五つよ。
B 俺が窓から投げたのも五つだったぜ。
A 馬鹿云いねえ。あの五つは皆無傷だった。指環を抜き取った跡なんかありゃしなかったぜ。いわくつきの奴あ、ちゃんとおめえが先廻りして拾っちまったんだろう。
B ハハハハハハ。豈(あ)に計(はか)らんや、そうじゃねえんだからお笑い草だ。
A オヤ、これはおかしい。じゃ、何の為にあの蜜柑を窓から抛(ほう)り出したんだね。
B まあ考えても見ねえ。せっかく命懸けで頂戴した品物をよ。たとい蜜柑の中へ押込んだとしてもよ。誰に拾われるか分りもしねえ線路の側なぞへ抛られるものかね。おめえがノコノコ拾いに行くまで元の所に落ちていたなぞは、飛んだ不思議と云うもんだ。
A それじゃやっぱり蜜柑を抛った訳が分らないじゃないか。
B まあ聞きねえ、こういう訳だ。あの時は少々どじを踏んでね、亭主野郎に勘ぐられてしまったものだから、こいつは危いと大慌てに慌てて逃げ出したんだ。どうする暇もありゃしねえ。だが、おめえの隣の席迄まで来て様子を見ると、急に追っかけて来る様でもねえ。さては車掌に知らせているんだな、こいつはいよいよ油断がならねえと気が気じゃないんだが、さて一件の物をどう始末したらいいのか、咄嗟の場合で日頃自慢の智慧も出ねえ。恥しい話だが、ただもうイライラしちまってね。
A なる程。
B すると、フッとうまい事を考えついたんだ。というのが、例の蜜柑の一件さ。よもやおめえが、あれを見て黙っていようたあ思わなかったんだ。きっと手柄顔に吹聴(ふいちょう)するに違いない。そうして俺が蜜柑の袋を投げたと分りゃ、皆の頭がそっちへ向かうというもんじゃねえか。蜜柑の中へ品物をしのばせて置いて後から拾いに行くなんざあ古い手だからね。誰だって感づかあね。そうなるてえと、たとい検べるにしてからが、この男はもう品物を持っちゃいねえと云う頭で検べるんだから、自然おろそかにもなろうてもんだ。ね、分ったかね。
A 成程、考えやがったな。こいつあ一杯喰わされたね。
B ところが、おめえが知って居ながらなんとも云い出さねえ。今に云うか今に云うかと待ち構えていても、ウンともスンとも口を利かねえ。とうとう身体検査の段取りになっても、まだ黙っていやあがる。俺あ「さては」と思ったね「こいつは飛んだ食わせものだぞ。このままソッとして置いて、後から拾いに行こうと思っていやがる」あの場合だが、俺あおかしくなったね。
A フフン、ざまあねえ……だが待ちねえ。するってえと、おめえはあれを一体どこへ隠したんだね。車掌の奴随分際どい所まで検べやあがった。口の中から耳の穴までくまなく検べたが、でも、とうとう見つからなかったじゃないか。
B お前も随分おめでてえ野郎だな。
A はてね。こいつは面妖(めんよう)だね。こうなるてえと、俺あどうも聞かずにゃ置かれねえ。そう勿体(もったい)ぶらねえで、後学の為に御伝授に預かりたいもんだね。
B ハハハ……まあいいよ。
A よかあねえ、そう焦らすもんじゃねえやな。俺にゃどうも本当とは受取れねえからな。
B 嘘だと思われちゃ癪(しゃく)だから、じゃ話すがね。怒っちゃいけないよ。実はね、おめえが腰に下げていた煙草入れの底へソッとしのばせて置いたのさ。それにしても、あの時お前の身体はまるで隙だらけだったぜ。ハハハハハハ、エ、いつその指環を取戻したかって、いうまでもねえ、おめえが、早く蜜柑を拾いに行こうと、大慌てで開札口を出る時によ。

04:50
2020/08/20

「凱風」HP版 夏休み7号

| by chishirodai-h
 おはようございます。月・金で出していくつもりでいたが明日から3日間、教員採用試験で学校には入れませんので、1日早くUPします。
 まず最初にお詫びと訂正ですが、8月15日に載せた文法問題の解答に誤りがありましたので、訂正いたしました。ミスが多くて申し訳ありません。幸い、こうして間違いを見つけて指摘してくれる人がいるので助かっています。ありがとう。訂正箇所には下線をつけてありますので、ご確認ください。

 長く続いた猛暑もどうにかこの週末くらいで終わりそうでしょうか。今週の月曜日などはもうどこにも居場所がないくらい世界中が熱気に包まれておりましたが、昨日あたりは風も吹いて、一日体育館にいてもどうにか命に別状がないくらいには過ごしやすくなってきています。まあ、今日はまた少し暑くなるようですが・・・暑さ同様、コロナについてもいい加減ピークを過ぎてもらいたいものですね。夏休みは残り十日あまり、第2学期が平和に始まることを願っております。

 先日もお知らせしましたが、修学旅行積み立ての手続き締め切り日は本日です。忘れている方はありませんか?万一用紙をなくした場合のURLなどもHPに掲載してありますのでご確認ください。

 さて・・・今週は月・火と学校見学会が実施され、2日間で約900人の中学生が来校しました。生徒会役員が頑張って案内などに奔走し、各部活も元気に活動してくれて夏休みとは思えない活況でした。学校が元気だと我々もなんとなくうれしくなります。国内では相変わらずコロナ禍が続いておりますが、なんとか頑張っていきましょう。

 来週がいよいよ実質的に夏休み最後の週となります。皆さん、宿題は片付いていますか?クラスによっては来週面談のクラスももありますし、学校生活再開の雰囲気が高まってきますね。夏休みでまた昼夜逆転したり生活リズムを崩していたりする人があれば、来週中に生活を立て直しておきましょう。私も気持ちを2学期に向けて切り替えてしっかり準備をしておこうと思います。それでは、夏休み残り約10日、皆さん元気でお過ごしください。                                                   (第1学年主任:江見)

 今日は、皮肉な作風で知られるイギリスの小説家サキの作品「第三者」を紹介しておきます。

「第三者」 サキ

 東部カルパチア山地の森の中である。
 ある冬の寒い晩、一人の男が銃を片手に耳をすましていた。ちょっとみると、鳥か獣があらわれるのを待っているようだ。が、じつのところはそうでないのである。この男――ウルリッヒ・フォン・グラドウィツは、人間があらわれるのを待っているのだ。
 彼が所有する山林には、野獣がたくさんいた。でも山林のはずれのこのあたりには、そんなにいない。それにもかかわらず、このあたりが気になって仕様がないのだ。もともとこの山林は、彼の祖父が、不法な理由で所有していた小さい地主から、裁判沙汰で無理に奪いとったものである。奪われた小地主は、その裁判が不服だった。それいらい、長いあいだ、両方の地主の争いがつづいて、グラドウィツが家長になるころには、両家の個人的憎悪にまで発展していた。つまり、この両家は三代にわたって仇敵のごとく争っているのだ。グラドウィツが世界中で一番にくらしいと思うのは、自分の土地に侵入して野獣をとるこのズネームという小地主だった。グラドウィツとズネームは、子供のときからおたがいに相手の血にうえていた。両方が相手の不幸を心から願っていた。だから、この風の寒い冬の晩、グラドウィツは数名の部下に森を歩かせ、もし泥棒が侵入したら捕えるよう命令したのである。いつもはしげみに隠れてめったに姿をみせぬ牡鹿が、その晩にかぎって森のあちこちを走った。ほかの森の動物もいつもとはちがって騒々しい。そのわけはよく分っている。ズネームが侵入しているにちがいないのだ。
 彼は山の高いところに部下を配置し、自分一人は急な斜面をおりて、麓の深い森へはいり、風にそよぐ梢の音や、木と木のふれあう音に耳をかたむけた。密猟者がはいりこんでいないか。ズネームが潜んでいないか。もしこの風の暴れる夕方、邪魔する第三者のいないこの淋しい森の中で、仇敵ズネームとめぐりあうことができたら、おお、その時こそ――これが彼のなによりの願望だった。そして、そんなことを考えながら、ブナの巨木の幹をまわると、当の仇敵とぱったり顔をあわせたのである。
 ふたりの敵と敵は、長いあいだにらみあっていた。どちらも怨恨にもえ、手に鉄砲をもっていた。一生に一度の情熱を爆発させる時がきた。けれど、遺憾ながら、彼らはどちらも文明の世に生れた人間なので、無言のまま、平然と人を殺す気にはなれなかった。どうしてもきっかけというものが必要だった。
 それで、二人がもじもじしていると、そこに横あいから、大自然の手が加わったのである。先刻から吹きあれていた強風が、一段と猛烈に木々をゆるがしたと思うと、その拍子にブナの大木の幹がめりめりとおれて、どさんと大きな音をたてて倒れ、逃げだすすきもなく、二人をおさえつけてしまったのだ。グラドウィツの片手は麻痺し、片手は二股になった枝におさえつけられ、両足も同時に太い枝におさえつけられていた。重い編上靴をはいていたからよかったものの、そうでなかったら、足がつぶれるところだった。傷こそうけなかったが、起きあがることはできなかった。だから、誰かがきて、大木の枝を鋸できってくれるまでは、どうすることもできない。顔にあたった小枝で、目に血が流れこんだ。その血をしばだたいて、払いのけながらあたりをみると、すぐそばにズネームが彼同様おさえつけられて、しきりにもがいている、もがいても起き上ることはできないらしい。そのそばにはたおれた大木の大小さまざまの枝が、いっぱいにひろがっていた。
 グラドウィツは、動けなくなったのを口惜しがっていいのか、生命が助かったのを感謝していいのか、悲喜こもごもの妙な気持だった。
 ズネームも顔から血を少しばかりだしていた。そしてもがくのをやめて、しばらく聞き耳をたてていたが、たちまち大声で笑いながら、
「お前も助かったのかい。死んでしまやあいいのに。でもおかしいね、グラドウィツがおれのところから盗んだ山の中で動けなくなるとは。これも天罰と思うがいい。」
 そして、また彼は大きな声で嘲笑した。
 グラドウィツはいう。「なんだと、盗んだ山だといったな、そうじゃない。ここはおれの土地だ。いまにおれの部下が助けにきてくれるよ。お前は密猟にはいったところをおれの部下に発見されるなんて、いい恥さらしだ。気の毒なやつだ。」
 ズネームはすぐにはいわなかったが、しばらくするとこうこたえた。
「お前はいま助けにきてくれるといったが、そりゃ本当か? おれの使っている男たちも、今夜この山にきているんだ。もうここへくるだろう。きたらまずおれを助けだしてくれて、そのあとで、お前のうえに大きな木をもひとつのせるだろうよ。お前の使っている男がくる頃には、とうにお前は死んでしまっている。葬式の日には、お悔みの手紙の一本もだしてやるよ。」
「いいことを教えてくれた!」と、グラドウィツは口を尖らせていった。「おれは部下の男に十分間たったらここへこいといっといた。だからもうくるだろう。きたらいまお前がいったと同じことをしてやるよ。でもお前はこっそり人の山林に侵入して、密猟しているところを殺されたのだから、お悔みの手紙だけはださないよ。」
「分った。分った。そんならおれたちは、どちらかが死ぬまで戦おう。お前のほうに部下がいるなら、こっちにもいるんだ。ここで勝負をつけるなら、第三者の邪魔者がこなくていい。グラドウィツの馬鹿っ! 早く死んでしまえ!」
「ズネームの馬鹿! 早く死んでしまえ! 泥棒! ひとの山林の中にはいって猟をする泥棒!」
 ふたりとも、すぐ部下がきて、助けてくれると思っていた。助かるのは自分のほうが早いと思っていた。だからあらゆる毒々しい言葉でののしりあった。
 だが、しばらくすると、二人とももがいても無駄なことが分ったので、あまり動かなくなり、グラドウィツは比較的自由な片手を、やっと上着のポケットにさしいれて、酒の壜をだした。壜をだすことはだしても、栓をぬいて飲むのが一仕事だった。でも、ぐっと一飲みした時の気持は格別だった。冬は冬でも、まだ雪がふらなかったので、わりあいに温かだった。酒がまわると好い気持になって、苦痛の唸声を噛みしめているとなりの男が、可哀そうになった。
 そこでグラドウィツは不意にこんなことをいったのである。
「どうだい。この酒を一口飲ましてやろうか。とてもうまい酒だ。今夜のうちに、お前かおれのどちらかが死ぬにしても、今の中別れに一杯飲んだらどうだ。」
「だめだよ。おれは目のふちに血が固まって、なにも見えないんだ。それに敵といっしょに酒を飲むのは嫌だよ。」
 グラドウィツはしばらく黙って、ものうい風の音を聞いていた。そして時々苦しそうに木におさえつけられているとなりの男のほうに目をやった。烈火のように燃えていた憎悪の炎が、だんだん消えてゆくのを感じた。
「おい、ズネーム、お前の部下がさきにきたら、どうにでも勝手にするがいい。しかしおれは考えを変えた。おれの部下がさきにきたら、まずお客様として、お前からさきに助けさして、おれはあとで助けてもらうつもりだ。ふたりはこの土地のことで、悪魔のように争ってきた。風に吹かれるこの山の木が、曲りくねって成長するとおなじだった。しかし今夜ここに寝ていて考えてみると、じつに馬鹿らしいことだ。世の中には土地のことで喧嘩をするより、もっと面白いことがたくさんある。どうだね、これからは喧嘩をやめて、仲好くしようじゃないか。」
 ズネームは返事をしなかった。死んだのではなかろうかと、グラドウィツは思った。
 が、しばらくするとズネームが静かにいいだした。
「でも、お前と二人でいっしょに馬にのって市場を歩いたら、みんながびっくりしてみるだろうな。グラドウィツとズネームが、仲好く歩くなんて図は、誰だって意外に思うだろう。おれたちが仲直りしたら、山の男たちも喜ぶだろう。いま仲直りしたって、誰も文句をいったり、邪魔したりする第三者はいないんだ……祭の晩には、お前もおれの家へきてくれ。そのかわりおれも時々ご馳走になりに行くよ。……もうこれからはお客として招待された時以外、お前の山の中へはいって鉄砲うったりなんかしないよ。お前も時々はおれのとこの沼におりてくる水鳥をうちにきてくれ。ふたりが仲直りしても、邪魔する者は一人もない。長い間おれはお前を憎みつづけてきたが、今夜から心をいれかえた。お前にもらったこの一杯の酒で、これからは友だちになるよ。」
 しばらく黙ったまま、二人はこの劇的な仲直りがおよぼすべき、世間の変化を考えていた。そしてひゅうひゅう強い風が吹いて、大木の幹や梢をうならせるこの寒い暗い森のなかで、早くどちらかの部下がきてくれればいいと、心に念じていた。もうこうなっては、どちらの部下がきても、両方が助かるのである。でも、やはり、早くくるのが、自分の部下であることをのぞんだ。それはいままでの敵に好意をしめすという名誉ある仕事を、自分でしたいからであった。
 たちまち風がやんだ。
 グラドウィツは沈黙をやぶって、
「二人声を揃えて呼んでみようじゃないか。いまは静かだから、遠方に聞えるかもしれない。」
「木がしげっているから、よほど大きい声をださないと聞えないよ。でも呼んでみようか。」
 二人はいっしょに大声で呼んだ。
 しばらくするとグラドウィツがまた、
「もう一度呼んでみよう。」
 また呼んだ。
 呼んだあとで耳をすまして返事をまった。
「なんだかむこうのほうで、返事のようなものが聞えたよ。」とグラドウィツがいった。
「風の音だろう。おれにはなにも聞えなかった。」
 グラドウィツは耳を傾けていたが、急に嬉しげな声になって。
「森のむこうから走ってくるのが見える。おれがおりたとおなじ坂道をおりてくる。」
 また二人が声をあわせてありたけの力で叫んだ。
「いまの声が聞えたらしい。立止って考えている。ほら、みつけた。こっちへむけてどんどん走ってくる。」グラドウィツがいった。
「なん人いるかね?」ズネームがきいた。
「まだよく分らん。九人か十人らしい。」
「そんならお前の部下だろう。おれのほうは七人しかいないのだから。」
「一生懸命に走っている。元気のいいやつだ。」
 グラドウィツは満足らしい声だった。
「たしかにお前のほうの男かね!」とズネームがきいた。
 そして、返事がないので、また、「お前のほうの男か?」ときいた。
「いや、」と答えて、グラドウィツは恐怖に戦慄しながら、馬鹿のようにげらげら笑いだした」。
「じゃ誰だい?」とズネームは目をしょぼしょぼさせながら、不安げにきいた。
「狼!」

05:10
2020/08/19

夏休み課題解答を追加します

| by chishirodai-h
 その後、夏休み課題について問い合わせがありましたので補足しておきます。

 まず、百人一首については、休み明けのテストに限って言えば、上の句と下の句が一致出来る程度に覚えていれば大丈夫です。いずれ実力問題なども出したいとは思っていますが。

 課題8ページの解答もほしいということですので、以下に。

今回の範囲1~25番の歌 について

●枕詞(解説は便覧P.104~105)
 ②白妙の
 ③あしびきの
 ④白妙の
 ⑰ちはやぶる
●ふりさけ見る = はるかに眺めやる(遠くまで見わたす
●眺め(眺む) = 物思いに沈んでぼんやりと見やる(便覧P.557)
●たつみ = 東南
●・・・なくに = 私(のせい)ではありませんのに
●有り明けの月 = 夜が明けてもまだ空に残っている月
          ※男が女の元を訪れて去ったあと、空にまだこの月が残っていると相手に対する名残惜しさを象徴
           するものとしてとらえられることが多い
●むべ = なるほど(便覧P.560) ※「むべなるかな」=「なるほどもっともなことであるなあ・・・」
●・・・もがな = ・・・が(で)あればいいなあ(願望の終助詞) ※文法テキスト裏表紙側の助詞表も確認を
●この範囲に出てきた六歌仙 ⑧喜撰法師 ⑨小野小町 ⑫僧正遍昭 ⑰在原業平 ㉒文屋康秀
  ※百人一首には大友黒主だけ入っていない。六歌仙図は便覧P.98

 こんなところで大丈夫でしょうか?
                                           (第1学年主任:江見) 
06:54
2020/08/18

修学旅行積み立て締め切り日は明後日です!

| by chishirodai-h
 夏休み前に連絡した修学旅行積み立ての登録締め切り日が明後日に迫りました。20日当日は混雑しそうですのでできるだけ明日中に登録していただいた方が無難なようです。まだの方は至急お願いいたします。(第1学年主任:江見)

用紙をなくした人のために念のためURLと連絡先を載せておきます。

ログインURL https://tabishitaku.plus/2ktHu

 連絡先 株式会社近畿日本ツーリスト 千葉教育旅行支店 043-227-9401

12:48
2020/08/17

文法の解説動画

| by chishirodai-h
大分手間取りましたが、ここに文法の説明をUPしておきます。加藤先生ありがとうございました(ひとりではできないんですよ・・・)。今回の説明はあまりわかりやすくないかもしれないなああ・・・わからなかったらごめんなさい。そのときはまた質問してください。

https://youtu.be/t0uAdjMXIJU 


16:52
2020/08/17

「凱風」HP版 夏休み6号

| by chishirodai-h
 おはようございます。夏休み後半戦スタートです。お盆を過ぎても猛暑は一向に弱まりません。体調管理にはくれぐれも注意してください。部活動なども早朝に始めて9時くらいに終われるといいのでしょうが・・・。とにかくコロナ禍の中ではありますが、熱中症の死者数はそれを上回る勢いですので、コトは生命に関わります。自分を大事にしましょう。寝不足や体調不良の状態では決して活動しないように。

 お盆休みで少しは宿題は片付きましたか。その後あまり質問も来ないようなのでとりあえず大丈夫のかなと思ってはいますが、困ったときは抱え込まずにさっさと質問してくれた方が早いと思います。

 それにしても感染拡大が止まりません。日によってばらつきはあるものの(これも単に分母の検査数によるもので実は毎日同じくらいなのだろうなという気がしますね)連日全国で1000人以上の感染者が確認されています。東京も200弱から400弱(389人を、「300人を超えた」と言うのは絶対何かごまかしているよなあ・・・)で推移し、千葉県もこのところ連日50人前後。これに対して特に何も指示は出ていませんが、今後の部活動の大会なども再考を余儀なくされるのではないかと心配です。これだけ感染者数が増えてくれば公共交通機関の車内が危険なのは明らかですから、2学期以降の学校のあり方についてもいろいろ心配です。
 こうした状況も踏まえコロナノートから始めた学習はやはり2学期以降も継続する必要があるでしょう。特に宿題にしてはいませんが、各自少し新聞やネットの記事など情報を集めておいてください。できれば自分の考えたことなどもメモしておくといい(国語のノートをそのまま使ってくれて構いません)でしょう。

 そんな中、今日は学校見学会です。今年は集会が開けないので説明会はなし、中学生が自由に校内を見学していく形式です。こんな環境の中で受験を控えている中学生は本当に不安でしょうね。来る人の中には君たちの後輩になる人もいるでしょうから、学校に来ている人は見学の中学生に優しく接してあげてください。

 土曜日にとりあえず夏休みの課題の解答例を載せました。ただ、文法についてはまだまだ解説が必要な人も多いかと思いますので、本日午後(午前中は部活があり、l午後一番で実力養成講座も入っているので2時半くらいまで手が空かないので・・・)に解説動画を撮影してここに載せたいと思います。まあ、私の説明でどこまでわかるかわかりませんが、ないよりはマシだと信じています。
 ついでに、一つ言っておきたいのですが、今後とも学校で配布された副教材はできるだけ活用してください。世の中にはどうもある種の信仰があって、各教科について誰でもよく分かる素晴らしいテキストが存在していると思い込んでいる人が多いのですが、実際問題としてテキスト自体には大して違いはありません。まああえて言うなら一番素晴らしい完璧なテキストなんてものはないけれど、自分に一番よく合うテキストというものはあります。だから、自分で参考書を買うなら自分が読んで「あ、これやりやすい」、と思えるものがベストなんだと私は思っています。・・・それはさて措き、学校で配布している副教材がベストだとは申しませんが、高校で学習するべき内容を修得するのに十分なだけの情報はあの中にきちんと入っています。だから、活用しなければもったいない。今回の動画では古典文法テキストの使い方を確認しますので観るときはテキストをご用意下さい。・・・授業で毎度言うように、便覧もこまめに参照する癖をつけましょうね。


 季節外れですが、O・ヘンリーの「賢者の石」を紹介しておきます。「幸福とは」というテーマで感想文を書くのにいいのでは?

 1ドル87セント。 それで全部。 しかもそのうち60セントは小銭でした。 小銭は一回の買い物につき一枚か二枚づつ浮かせたものです。 乾物屋や八百屋や肉屋に無理矢理まけさせたので、 しまいに、こんなに値切るなんてという無言の非難で頬が赤くなるほどでした。 デラは三回数えてみました。 でもやっぱり1ドル87セント。 明日はクリスマスだというのに。これでは、まったくのところ、粗末な小椅子に突っ伏して泣くしかありません。 ですからデラはそうしました。 そうしているうちに、 人生というものは、わあわあ泣くのと、しくしく泣くのと、微笑みとでできており、 しかも、わあわあ泣くのが大部分を占めていると思うようになりました。

 この家の主婦が第一段階から第二段階へと少しづつ移行している間に、 家の様子を見ておきましょう。 ここは週8ドルの家具付きアパートです。 全く筆舌に尽くしがたいというわけではないけれど、 浮浪者一掃部隊に気をつけるためにアパートという名前をつけたに違いありません。階下には郵便受けがありましたが手紙が入る様子はなく、 呼び鈴はありましたが人間の指では鳴らせそうもありません。 その上には「ミスター・ジェームズ・ディリンガム・ヤング」 という名前が書かれた名刺が貼ってありました。
 その「ディリンガム」の文字は、 その名の持ち主に週30ドルの収入があった繁栄の時代にはそよ風にはためいてきました。 でもいまや収入は20ドルに減ってしまい、 文字たちはもっと慎ましく謙遜な「D」一文字に押し縮めようかと真剣に考えているようでした。 しかし、ジェームズ・ディリンガム・ヤング氏が家に帰って二階のアパートに着くと、 すでにデラとしてご紹介済みのジェームズ・ディリンガム・ヤング夫人が、 「ジム」と呼びながら、いつでもぎゅうっと夫を抱きしめるのでした。 これはたいへん結構なことですね。

 デラは泣くのをやめ、頬に白粉をはたくのに意識を集中させました。 デラは窓辺に立ち、灰色の裏庭にある灰色の塀の上を灰色の猫が歩いているのを物憂げに見ました。 明日はクリスマスだというのに、ジムに贈り物を買うお金が1ドル87セントしかありません。 何月も何月もコツコツとためてきたのに、これがその結果なのです。 週20ドルでは、大したことはできません。 支出はデラが計算した以上にありました。 支出というものはいつだってそういうものでした。 ジムへの贈り物を買うのに1ドル87セントしかないなんて。 大切なジムなのに。 デラは、ジムのために何かすばらしいものをあげようと、長い間計画していたのです。 何か、すてきで、めったにないもの ―― ジムの所有物となる栄誉を受けるに少しでも値する何かを。
 その部屋の窓と窓の間には姿見の鏡が掛けられていました。 たぶんあなたも8ドルの安アパートで見たことのあるような姿見でした。 たいそう細身で機敏な人だけが、 縦に細長い列に映る自分をすばやく見てとって、 全身像を非常に正確に把握することができるのでしょう。 デラはすらっとしていたので、その技術を会得しておりました。急にデラは窓からくるりと身をひるがえし、その鏡の前に立ちました。 デラの目はきらきらと輝いていましたが、顔は20秒の間、色を失っていたのでした。 デラは手早く髪を下ろし、その長さいっぱいまで垂らしました。

 さて、ジェームズ・ディリンガム・ヤング家には、 誇るべき二つのものがありました。 一つはジムの金時計です。 かつてはジムの父、そしてその前にはジムの祖父が持っていたという金時計。 もう一つはデラの髪でした。 シバの女王が通風縦孔の向こう側のアパートに住んでいたとしましょう。 ある日、デラが窓の外にぬれた髪を垂らして乾かそうとしたら、 それだけで、女王様の宝石や宝物は色あせてしまったことでしょう。 また、ソロモン王がビルの管理人をやっていて、宝物は地下室に山積みしていたとしましょう。 ジムが通りがかりに時計を出すたび、王様はうらやましさのあまり、ひげをかきむしったことでしょう。

 さて、そのデラの美しい髪は褐色の小さな滝のようにさざなみをうち、 輝きながら彼女のまわりを流れ落ちていきました。 髪はデラの膝のあたりまで届き、まるで長い衣のようでした。 やがてデラは神経質そうにまた手早く髪をまとめあげました。 ためらいながら1分間じっと立っていました。 が、そのうちに涙が一粒、二粒、すりきれた赤いカーペットに落ちました。デラは褐色の古いジャケットを羽織り、褐色の古い帽子をかぶりました。 スカートをはためかせ、目にはまだ涙を光らせて、 ドアの外に出ると、表通りへ続く階段を降りていきました。
 デラが立ち止まったところの看板には、 「マダム・ソフロニー。ヘア用品なら何でも。」と書いてありました。 デラは階段を一つかけのぼり、胸をどきどきさせながらも気持ちを落ち着けました。 女主人は大柄で、色は白すぎ、冷ややかで、とうてい「ソフロニー」という名前のようには見えませんでした。
 「髪を買ってくださいますか」とデラは尋ねました。
 「買うさ」と女主人は言いました。 「帽子を取って見せなさいよ」
 褐色の滝がさざなみのようにこぼれ落ちました。
 「20ドル」手馴れた手つきで髪を持ち上げて女主人は言いました。
 「すぐにください」とデラは言いました。
 ああ、それから、薔薇のような翼に乗って2時間が過ぎていきました。 …なんて、使い古された比喩は忘れてください。 デラはジムへの贈り物を探してお店を巡っておりました。
 そしてとうとうデラは見つけたのです。 それは確かにジムのため、ジムのためだけに作られたものでした。 それほどすばらしいものはどの店にもありませんでした。 デラは全部の店をひっくり返さんばかりに見たのですから。 それはプラチナの時計鎖で、デザインはシンプルで上品でした。 ごてごてした飾りではなく、 素材のみがその価値を主張していたのです ―― すべてのよきものがそうあるべきなのですが。 その鎖は彼の時計につけるのにふさわしいとまで言えるものでした。 その鎖を見たとたん、これはジムのものだ、とデラにはわかりました。 この鎖はジムに似ていました。 寡黙だが、価値がある ―― この表現は鎖とジムの両者に当てはまりました。 その鎖には21ドルかかり、デラは87セントをもって家に急いで帰りました。 この鎖を時計につければ、 どんな人の前でもちゃんと時間を気にすることができるようになるでしょう。 時計はすばらしかったのですが、 鎖の代わりに古い皮紐をつけていたため、 ジムはこそこそと見るときもあったのです。

 デラが家に着いたとき、興奮はやや醒め、分別と理性が頭をもたげてきました。 ヘアアイロンを取り出し、ガスを着けると、 愛に気前の良さを加えて生じた被害の跡を修繕する作業にかかりました。 そういうのはいつも大変な仕事なのですよ、ねえあなた ―― とてつもなく大きな仕事なのですよ。40分のうちに、デラの髪は小さく集まったカールで覆われました。 髪型のせいで、まるで、ずる休みした学童みたいに見えました。 デラは、鏡にうつる自分の姿を、長い間、注意深く、ためつすがめつ見つめました。 「わたしのことを殺しはしないだろうけれど」とデラは独り言をいいました。 「ジムはわたしのことを見るなり、 コニーアイランドのコーラスガールみたいだって言うわ。 でもわたしに何ができるの ―― ああ、 ほんとうに1ドル87セントで何ができるっていうの?」
 7時にはコーヒーの用意ができ、 フライパンはストーブの上にのり、 チョップを焼く準備ができました。
 ジムは決して遅れることはありませんでした。 デラは時計の鎖を手の中で二重に巻き、 彼がいつも入ってくるドアの近くのテーブルの隅に座りました。 やがて、ジムがはじめの階段を上ってくる足音が聞こえると、デラは一瞬顔が青ざめました。 デラは毎日のちょっとしたことでも小さな祈りを静かに唱える習慣がありましたが、 このときは「神さま。 どうかジムがわたしのことを今でもかわいいと思ってくれますように」とささやきました。
 ドアが開き、ジムが入り、ドアを閉めました。 ジムはやせていて、生真面目な顔つきをしていました。 かわいそうに、まだ22歳なのに ―― 彼は家庭を背負っているのです。 新しいオーバーも必要だし、手袋もしていませんでした。
 ジムは、ドアの内で立ち止まりました。 うずらの匂いにじっとしている猟犬と同じように、そのまま動きませんでした。 ジムの目はデラに釘付けでした。 そしてその目には読み取ることのできない感情が込められていて、 デラは恐くなってしまいました。 それは憤怒ではなく、驚嘆でもなく、拒否でもなく、恐怖でもなく、 デラが心していたどんな感情でもありませんでした。 ジムは顔にその奇妙な表情を浮かべながら、 ただ、じっとデラを見つめていたのです。
 デラはテーブルを回ってジムの方へ歩み寄りました。
 「ジム、ねえ、あなた」デラは声をあげました。 「そんな顔して見ないで。 髪の毛は切って、売っちゃったの。 だって、あなたにプレゼント一つあげずにクリスマスを過ごすなんて絶対できないんだもの。 髪はまた伸びるわ ―― 気にしない、でしょ? こうしなきゃ駄目だったの。 ほら、わたしの髪ってすごく早く伸びるし。 『メリー・クリスマス』って言ってよ、ジム。 そして楽しく過ごしましょ。 どんなに素敵な ―― 綺麗で素敵なプレゼントをあなたに用意したか、 当てられないわよ」

 「髪を切ったって?」とジムは苦労しつつ尋ねました。 まるで、懸命に頭を働かせても明白な事実にたどり着けないようなありさまでした。
 「切って、売っちゃったの」とデラは言いました。 「それでも、わたしのこと、変わらずに好きでいてくれるわよね。 髪がなくても、わたしはわたし、よね?」
 ジムは部屋をさがしものでもするかのように見まわしました。
 「髪がなくなっちゃったって?」ジムは何だか馬鹿になったように言いました。
 「探さなくてもいいのよ」とデラは言いました。 「売っちゃったの。だから、―― 売っちゃったからなくなったのよ。 ねえ、クリスマスイブでしょ。 優しくして。 髪がなくなったのは、あなたのためなのよ。 たぶん、わたしの髪の毛の一本一本まで神様には数えられているでしょうね」 デラは急に真面目になり、優しく続けました。 「でも、わたしがあなたをどれだけ愛しているかは、 誰にもはかることはできないわ。 チョップをかけてもいい、ジム?」
 ジムはぼうっとした状態からはっと戻り、デラを抱きしめました。 さて、それではここで10秒間、 趣を変えたささやかな事柄について控え目に吟味をしてみましょう。 週8ドルと年100万ドル ―― その違いは何でしょうか。 数学者や知恵者に尋ねたら、誤った答えが返って来るでしょう。 東方の賢者は高価な贈り物を持ってきましたが、その中に答えはありませんでした。 何だか暗いことを申しましたが、ここで述べた言明は、後にはっきりと光り輝くことになるのです。

 ジムはオーバーのポケットから包みを取り出すと、 テーブルに投げ出しました。
 「ねえデラ、僕のことを勘違いしないで。 髪型とか肌剃とかシャンプーとか、 そんなもので僕のかわいい女の子を嫌いになったりするもんか。 でも、その包みを開けたら、 はじめのうちしばらく、どうして僕があんな風だったかわかると思うよ」
 白い指がすばやく紐をちぎり紙を破りました。 そして歓喜の叫びが上がり、 それから、ああ、 ヒステリックな涙と嘆きへと女性らしくすぐさま変わっていったのです。 いそいで、そのアパートの主人が必死になって慰めなければなりませんでした。
 包みの中には櫛(くし)が入っていたのです ―― セットになった櫛で、 横と後ろに刺すようになっているものでした。 その櫛のセットは、 デラがブロードウェイのお店の窓で、長い間あがめんばかりに思っていたものでした。 美しい櫛、ピュアな亀甲でできていて、 宝石で縁取りがしてあって ―― 売ってなくなった美しい髪にぴったりでした。 その櫛が高価だということをデラは知っていました。 ですから、心のうちでは、その櫛がただもう欲しくて欲しくてたまらなかったのですけれど、 実際に手に入るなんていう望みはちっとも抱いていなかったのです。 そして、いま、この櫛が自分のものになったのです。 けれども、この髪飾りによって飾られるべき髪の方がすでになくなっていたのでした。
 しかし、デラは櫛を胸に抱きました。 そしてやっとの思いで涙で濡れた目をあげ、微笑んでこう言うことができました。 「わたしの髪はね、とっても早く伸びるのよ、ジム!」
 そしてデラは火で焼かれた小猫のようにジャンプして声をあげました。 「きゃっ、そうだ!」
 自分がもらう美しい贈り物をジムはまだ見ていないのです。 デラは手のひらに贈り物を乗せ、ジムに思いを込めて差し出しました。 貴金属の鈍い光は、 デラの輝くばかりの熱心な気持ちを反射しているかのようでした。
 「ねえ素敵じゃない? 町中を探して見つけたのよ。 あなたの時計にこの鎖をつけたら、 一日に百回でも時間を調べたくなるわよ。 時計、貸してよ。この鎖をつけたらどんな風になるか見たいの」

 デラのこの言葉には従わず、 ジムは椅子にどさりと腰を下ろし、 両手を首の後ろに組んでにっこりと微笑みました。
「ねえデラ。僕達のクリスマスプレゼントは、 しばらくの間、どこかにしまっておくことにしようよ。 いますぐ使うには上等すぎるよ。 櫛を買うお金を作るために、僕は時計を売っちゃったのさ。 さあ、チョップを火にかけてくれよ」

 東方の賢者は、ご存知のように、 賢い人たちでした ―― すばらしく賢い人たちだったんです ―― 飼葉桶の中にいる御子に贈り物を運んできたのです。 東方の賢者がクリスマスプレゼントを贈る、という習慣を考え出したのですね。 彼らは賢明な人たちでしたから、もちろん贈り物も賢明なものでした。 たぶん贈り物がだぶったりしたときには、別の品と交換をすることができる特典もあったでしょうね。 さて、わたくしはこれまで、つたないながらも、 アパートに住む二人の愚かな子供たちに起こった、平凡な物語をお話してまいりました。 二人は愚かなことに、家の最もすばらしい宝物を互いのために台無しにしてしまったのです。 しかしながら、今日の賢者たちへの最後の言葉として、こう言わせていただきましょう。 贈り物をするすべての人の中で、この二人が最も賢明だったのです。 贈り物をやりとりするすべての人の中で、 この二人のような人たちこそ、最も賢い人たちなのです。 世界中のどこであっても、このような人たちが最高の賢者なのです。 彼らこそ、本当の、東方の賢者なのです。
                                                                                                                                                         (第1学年主任:江見)
04:37
2020/08/15

千葉日報のインタビューを受けてくれた人に

| by chishirodai-h
 先日、国語の「新聞」に関して、優秀作に選ばれた3名の方に、千葉日報社のインタビューを受けてもらいましたが、本日の千葉日報にその記事が掲載されました。記事のコピーは廊下にも掲示しておきますが、2学期またこの続きを、今度は全クラス共通でやれれば、と思っています。とりあえず報告でした。
11:01
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