千葉盲通信 第174号 令和5年2月24日 千葉県立千葉盲学校 校長 青木隆一 四街道市大日468−1 電話043(422)0231 卒業にあたって 校長  青木 隆一 先日、一般財団法人 春めき財団さんから「春めき」という早咲きの桜を御寄贈いただきました。この桜は、菜の花に爽やかな甘みを加えたような優しい芳香がすることから、嗅覚で季節を楽しむ視覚障害のある方々からも喜ばれている品種だそうです。現在二分咲きですが、ここ数日暖かな陽気が続いていますので卒業式には満開になっているかもしれませんね。どうぞ、春めき桜を楽しんでください。 さて、卒業式の主役である17名の卒業生・修了生のみなさん、御卒業おめでとうございます。私が校長になって初めての卒業生になりますので、特に感慨深いものがあります。みなさんは、この3年間、新型コロナウイルス感染症の拡大防止による厳しい制限がある中、学校生活を過ごしてきました。学校生活を豊かにするはずの学校行事が中止や内容変更となり、友達や先生とのおしゃべりも、楽しい給食の時間は黙食となってしまいました。施術スキルを高める臨床実習も思うように実施できませんでした。感染症終息の見通しがもてず、辛いこともたくさんあったでしょう。しかし、個人の努力ではどうにもならないことがあることを知りました。さらに、世の中や環境の変化に柔軟に対応し、しなやかに生きていくことも学んだのではないでしょうか。かけがえのない経験をしたと思っています。そして間もなく卒業式そして終了式を迎えます! 笑顔を絶やさず常に前を向き、我慢と工夫とを重ね、この世界的な非常事態を乗り越えてきた61名の幼児児童生徒、保護者の方々、先生方に「みんな、よく頑張った!」と声を大にしてほめてあげたいと思います。アフターコロナ、きっと強く、たくましく、しなやかに生きていくことができるしょう。応援しています! 最後に、卒業祝歌の一節を送ります。 君たちよ ひかりは空に満ちている 翼を連ねて 胸張って  羽ばたき 巣立つ 君たちよ たとえ 嵐が吹こうとも 羽ばたけ 羽ばたけ 行く手には 明るい希望が ひらけてる 君たちよ 1年間ありがとうございました。 幼稚部では、実際に体験すること、体をたくさん動かして遊ぶことを大事にしながら、様々な活動に取り組んできました。買い物活動では、実際にお店へ行き、たくさんの商品の中から自分の好きなものを選んで買いました。段ボール滑り台や新聞紙プールなどの設定遊びでは、遊び方を工夫したり友達や教師を誘ったりしながら積極的に遊ぶ姿がたくさん見られました。楽しめることや自信をもってできることが増え、また友達とのやり取りも広がった1年間でした。(幼稚部) 小学部では新型コロナウイルスの感染予防に努めながら、児童全員での学習や行事を行ってきました。フラワーアレンジメント体験では、様々な花の香りを楽しみながら、個性あふれるアレンジメントを作りました。3月のお楽しみ会では、子供たちで内容を話し合い、爆弾ゲームやじゃんけん列車を行いました。罰ゲームで物まねをしたり、じゃんけんが1番強い人を決めたりと、おおいに盛り上がりました。保護者の皆様、一年間の御支援・御協力をありがとうございました。(小学部) 3月10日に中学部の3年生を送る会が体育館で行われました。 演劇の発表では、発表する生徒が皆いきいきとした表情で行われてとても盛り上がりました。歌では春の卒業ソングが多く聞かれ、「今年ももうこの季節だな」と会場全体で実感する機会となりました。 また、卒業生コーナーでは素敵な漫才やゲームを通して卒業生とともに楽しい時間を過ごすことができました。 会場は温かい雰囲気でいっぱいとなりました。(中学部) 今年度の高等部の生徒数は8名でした。少人数ながらも、クラスや学年を超えて活動することで、多くの経験を共にすることができました。 2月3日の製品販売会では、生徒は、重ねてきた接客練習の成果で、しっかりとやりとりをしていました。「お客様に、商品の説明をしたり、質問に答えたりすることができました」などの感想が聞かれました。お買い上げいただいた皆様、ありがとうございました。 また、3月8日の予餞会では、卒業生5名と在校生3名のそれぞれが練習した成果を十分に発揮し、心通い合う会にすることができました。体育館中に美しい歌や楽器のハーモニーや笑い声が響き渡り、卒業生も在校生も楽しいひと時を過ごしました。 保護者の皆様、一年間の御支援・御協力、ありがとうございました。(高等部) 今年度も新型コロナウイルス感染症予防の観点から、自粛せざるを得ない行事もありましたが、10月には2・3年生対象の東京医科歯科大学での解剖見学を再開することができました。教科書での説明や模型・図譜での学習だけでは理解しにくかったことが、筋・内臓・神経系の実際の形態・大きさ・触感を学べた大変貴重な体験となりました。また、3年生による県庁や特養老人ホーム淑徳共生苑での臨時校外臨床実習を実施できたことは、理療の理解・啓発、認知度向上への継続的な取り組みに大きく寄与したと思います。(理療科) 視覚支援センターは、教育相談、通級指導教室、見え方相談会の支援、関係機関との連携、研修会講師、等を行っています。今年度は、教育相談の件数が増え、特に小学生では、学習の難易度が上がる高学年の時期に相談が多かったです。また初めて0、1歳児のお子さんとお母さんを対象に「ママサロン」を実施し友達の輪を広げました。通級指導では、在籍校の担任の先生と研修会をしたり毎回の指導内容を連絡帳やメールでやり取りしたりして連携を深めました。 今後も県内の視覚障害教育を有する方々へ支援がつながるように、活動を充実させていきたいと思います。何かお困りの際は視覚支援センターへ御連絡ください!(視覚支援センター) 4月の予定 6日(木)着任式・始業式、入学式リハーサル(11:40下校) 7日(金)給食開始、実力試験(理療科) 10日(月)入学式(12:15下校)、オリエンテーション(寄宿舎) 11日(火)身体測定・視力・聴力検査(高等部)、生徒総会・新入生歓迎会(理療科) 12日(水)新年度交流会(中学部)、身体測定・視力・聴力検査・内臨外臨ガイダンス、新入生歩行指導(理療科) 13日(木)身体測定・視力・聴力検査(中学部)、新入生歓迎会(高等部) 14日(金)新入生歓迎会(幼稚部)、身体測定・視力・聴力検査(小学部) 17日(月)身体測定週間(幼稚部)、新入生を迎える会(小学部)、内臨開始(理療科)、歓迎会(寄宿舎) 18日(火)全国学力・学習状況調査(小6・中3)、外臨開始(理療科) 22日(土)授業参観・PTA総会、月曜日課、修学旅行説明会(高等部)、保護者会(寄宿舎) 24日(月)振替休業日 25日(火)個別の指導計画作成日(13:20下校)、臨床実習・緊急対応訓練(理療科)、歩行確認会(寄宿舎) 28日(金)自立活動校外歩行指導(高等部) 29日(土)昭和の日 以上