歩行指導の定義
歩行指導と聞くと、白杖技術操作や歩行のための運動を連想されますが、視覚障害児者の歩行は、アメリカではオリエンテーション・アンド・モビリティーと呼ばれています。オリエンテーションは「定位」(自分のいる位置と目的地の位置を他の重要な事物との関連において認知すること)、モビリティーは「移動できること」となっており、歩行指導では、「移動」だけではなく「定位」の学習も行っています。
歩行指導の4つの条件
歩行指導の実施には、四つの条件があります。
1 安全性の確保
2 能率性の向上
3 見ために自然な動きや容姿の獲得
4 やりやすい方法の獲得
四つの条件では「安全性の確保」が大前提にあり、そのうえで、2,3,4についての検討を行っています。
白杖について
視覚障害者のシンボルとして認知が広がっている白杖ですが、その役割には3つあります。
1 安全の確保
白杖をかまえると、だいたい自分の2歩先の位置に杖の先がきます。そうすることで、身体よりも先に白杖に物や障害物が接触し、足元の安全の確認ができます。
2 情報の入手
白杖が物にあたることで、そこに何があるのか判断できます。段差であったり、階段であったり、素材によっては、どのようなものなのかも考えることができます。
3 シンボル
持っていることで周囲の人から見えづらさがあるということが分かります。
*白杖の使用については道路交通法第14条によって定められています。
本校の歩行指導
本校の歩行指導は、見え方に応じた指導の違いはありますが、幼稚部から高等部、必要に応じて専攻科生徒も実施しています。指導内容については、屋内の移動、白杖を活用した歩行、公共の交通機関の活用など、個々の課題に即した内容で実施しています。
指導段階を問わず活動の中で大切にしていることは「歩きたい」という気持ちを育てることです。歩きたいという気持ちを幼児児童生徒がもつことのできない指導をしてしまうと、技術の習得が能率的に進まないだけでなく、歩くことに対するモチベーションの低下も招きかねません。「歩かせる」ではなく幼児児童生徒が「自ら歩きたい」と思う気持ちを育てる指導を展開しています。
体験をとおしての活動
より安全な歩行を目指し、授業だけでなく外部機関と連携をとって学習を行っています。
①鉄道体験
安全な電車の利用を目指し、駅の構造理解、緊急時の対応、踏切の横断方法などについて、体験施設で活動を行っています。ホームまでの高さを確認したり、ホームから転落した時の対応についたりしても、体験をとおして学んでいます。
②バス体験
バスを安全に利用できるよう、バス会社の協力を得て実施しています。止まっているバスに直接触ることで、バス全体の大きさを感じたり、運賃箱付近の作りをじっくりと学んだりすることができます。
③盲導犬体験
東日本盲導犬協会の協力を得て、盲導犬についての学習をしています。盲導犬協会の方に講義をしていただくだけでなく、実際に盲導犬との体験歩行を行っています。将来を見据え、とても関心が高い活動の一つです。
<鉄道体験>
<バス利用>
<盲導犬体験>