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校長挨拶
本校は、明治11年に開校し、140年を越える歴史を持つ伝統校です。明治32年に、千葉市中央区葛城のこの地に移転し、現在に至っています。卒業生は、3万名を超え、国内外を問わず有為な人材を輩出し続けています。
また、平成20年には、千葉県立千葉中学校が併設されました。高校では、中学校からの進学者と他の中学校からの進学者とが、お互いに認め合いながら、お互い刺激しあうことで、更なる高みを目指しています。併設型中高一貫教育校として、授業や学校行事、部活動等で中学校と高等学校が協働して取り組み、6年間を見据えた教育を行うべく進めています。
さて、現在、社会の変化の加速度は増して、少し先の未来でも予測することが困難です。社会の変化に主体的に向き合い関わり合い、社会で活躍するためは、どのような資質が必要でしょうか。「未来人材ビジョン」(経済産業省・令和4年5月)のなかでは、次の社会を担う若者世代に対して「常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力」、「夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢」、「グローバルな社会課題を解決する意欲」、「多様性を受容し他者と協働する能力」が求められています。学校教育においても、知識の習得はもちろん大切ですが、例えば、「答えのない」社会課題や身近な生活課題について、他者との対話を通して、協働的な学びを行うなど探究力を磨いたり、好きなことにのめり込んで豊かな発想や専門性を身につけ、他者と協働しながら、新たな価値を創造し、新しい発見や解を生み出したりすることが求められています。学習指導要領のなかでも、探究的な活動は重視されています。
本校では「社会で有為な人格」を育成するという教育方針を掲げ、「重厚な教養主義」のもと、すべての教科で質の高い授業を行っています。そのなかで中学校、高等学校ともに探究活動にも力を入れております。生徒自らが課題を設定し、その解決に向けて学習を進め「答えのない」課題に対して、生徒は自ら考えたり、他者との対話や協働的な学びを行ったりしながら、探究力を磨きます。試行錯誤を繰り返し、時には失敗をしたり、壁にぶつかったりしますが、その経験がこれからの人生の糧となります。日ごろの授業や探究活動等を通して、将来、目の前に立ちはだかる困難や課題を解決するために必要な基本的な資質や能力を身につけていきます。
また、やがて日本のみならず世界の新しい時代のリーダーとなる生徒のみなさんには「他者を尊重する」気持ちを持ってほしいと思います。社会の一員として人との関りは切っても切り離せないものです。まずは、相手の立場に立って物事を考える事が大切です。相手を一人の人間として、自分が尊重されるように相手を尊重する気持ちが必要です。人の痛みを感じられる気持ちを持ってください。多様性を理解し受け入れる気持ちが大切です。学校生活のなかで、友人たちと切磋琢磨するなかで「思いやりの気持ちや優しさ」を育んでほしいと思います。
本校での学びを通して生徒一人ひとりが、社会の変化に主体的に向き合い関わり合い、自らの可能性を存分に発揮し、社会で活躍できるよう、教職員一同精一杯取り組んでいきます。
千葉県立千葉中学校・千葉高等学校
校長 髙梨 祐介